奈良へ…
仕事がらみの予定が急に無くなった土曜日に取材旅をしてきた。しかし何の準備もしていなかったので、とりあえず「奈良・斑鳩1dayチケット」を購入しての無計画旅である。
この切符、阪急版で2060円。乗降できる範囲が、阪急電車全線・大阪地下鉄全線・近鉄難波~奈良、長田~生駒、京都~筒井、生駒ケーブル、そして奈良交通バス奈良公園・西ノ京・斑鳩フリー区間、以上である。3私鉄のフリー区間と合わせると奈良・大阪・京都と3古都巡りができてしまうわけだ。しかもすべてフリー区間なので、何周でもできる。3古都飲み耐久レースとか出来てしまうわけで何かお得感アリの切符である。

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とりあえず京都と奈良に

どうも近鉄京都線に乗った記憶が無かったので、とりあえず乗りつぶしがてら京都からスタート。そして奈良へ。

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せんと君いるけど京都駅です 近鉄京都駅 特急に乗ってみました
お約束の行基増 近鉄奈良駅 西大寺駅展望デッキ
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京都・奈良をさっくり見回っている間に、取材先を近鉄フリー区間の最南端・筒井駅からの斑鳩方面に決定。龍田神社を皮切りに藤ノ木古墳、そして法隆寺・中宮寺へと回ることにした。

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左 近鉄筒井駅

右 竜田神社バス停

 

下 龍田神社

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龍田神社

龍田神社はこぢんまりとした神社であるが、wikiによれば『聖徳太子がこの地で化身した龍田大明神に逢い、法隆寺を建立するきっかけとなった』という伝承があり、法隆寺の鎮守として建立されたとのこと。ちなみに近くにある竜田川は、百人一首の「ちはやぶる~」「あらしふく~」に取り上げられている紅葉の名所であるが、百人一首で竜田川と呼んでいたのは現在の大和川のことらしく、現在の竜田川は大和川の支流である平群川の一部を観光地化するために後から付けられた名称したらしい。まぁ大和盆地のこのあたりという括りでは大差はないかもしれないが。

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藤ノ木古墳

龍田神社からバス停ひとつ分戻ると、斑鳩町役場があり、すこし山手に行くと藤ノ木古墳がある。まずは手前にある斑鳩文化財センターでお勉強。大型ビジョンによる発掘ドキュメンタリーの資料映像と、出土した副葬品のレプリカ展示がある。地元の方と思われる年配の男性が色々と説明してくれるが、基礎知識が圧倒的に不足していて相づちを打つ程度しかできない。誰が埋葬されていたかという疑問点は「聖徳太子の時代のエラい人」ということくらいしか解らないらしい。

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凝灰岩でできた石棺 2柱と副葬品 展示室
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頭飾りらしい

馬具

と羨道をイメージした通路

受付で勾玉作成キットが200円で売られていたので家族へのお土産に購入する。滑石の色やひもの色が何種類かから選べてgoodである。

文化財センターから3分も歩けば藤ノ木古墳。思っていたより開放的である。午前中は曇っていた天気も青空が多くなってきた。観光客もいない。ゆっくり弁当でも食べたくなる雰囲気である。

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思っていたより開放的

とびらをのぞき込むと羨道奥の照明が点く

コスモスが残っていた

藤ノ木古墳からまたバス停ひとつ分戻ると法隆寺である。その途中が西里地区で、もとは法隆寺の大工集団の街だったらしい。土壁の町並みが美しい。

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落ち着いた町並み

5分程度で法隆寺西門

法隆 寺へ…
西門をくぐると観光客・修学旅行生が犇めく喧噪の世界へ。

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金堂と五重塔

廻廊とエンタシスの柱

本堂

夢殿

中宮寺本堂

国宝・菩薩像

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写真はなるべく人が入らないように撮るので、誤解しそうだが実際には、ぎゅう詰め状態の観覧であった。とくに塔の内部は狭い通路でガイドさんの説明が入るので、身動きができなくなる。火事にでもなったら怖いなぁと感じた。

思えばこれまで法隆寺は何度も訪れている。子ども時代の遠足であったり、教員として校外学習の引率であったり、家族旅行であったり(これもある意味で引率だ)。今回は初めての単独行なので集団に縛られることなく、留まりたいところに留まり納得のいくシャッターを切った。集団に歩調を合わせなくて良いのは心地よいと感じた。

中宮 寺へ…

最後に夢殿から回り込んだところにある尼寺・中宮寺へ。昔の50円切手のデザインで有名な菩薩像がある。以前は弥勒菩薩像と言っていたが、中宮寺は如意輪観世音菩薩としている。風通しの良い本堂の畳に座り、テープの解説を聞きながら眺める。菩薩像の色は漆黒でありこれは灯明などの煤によって黒くなったと解説していた。 アルカイックスマイルと呼ばれる微笑を数mの距離でゆっくりと眺めることができるのは、先の法隆寺の喧噪とは雲泥の差であり、心が穏やかになる。

このあと、法隆寺参道で柿の葉寿司をお土産に買い、バスに乗って近鉄筒井駅に戻り、取材を終了した。ちなみにこの後、阪急池田駅で職場の方と飲み会があり、15時に法隆寺を出て、17時池田駅集合というのはけっこうギリギリであった。

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