ついに、ようやく、長年追い求めていた電子ノート環境が(ほぼ)整った。

今年はwindowsタブレットに始まり、iPadPRO、E-ink電子ブック(androidが使える特殊なもの)等を試し、一時はandroidタブレットであるGalaxy Tab A(2019) with S pen に落ち着きかけたが、両天秤にかけた結果、最終的には定番の iPad mini5(cellular) を使うことになった。

本体 iPad mini5(cellular) 8インチタブレット
モバイル通信ができ、精密なペン入力が行える。
ペン appleペンシルの
下位互換 の無印ペン
2018年以降のiPadに対応するタッチペン
ノートテイキング程度には十分な能力がある。
アプリ OneNote 自宅PC・スマホ・他タブレットとデータの同期が取れる
スーパーノートアプリ。発売からずっと使ってきた。
長期的な記録のために使う。
アプリ GenbaNote googleカレンダーと同期するページが作成できるノートアプリ。
スケジュール管理と日々の記録(短期的な記録)のために使う。
このアプリがiOSしか発売されていないことが、iPadminiを選んだ最終理由となった。
IME Mazec 手書き→テキストが素晴らしい日本語入力システム。
通信 CALENDAR SIM ソフトバンク回線を使うプリペイドSIM
2年間、毎月1GBの高速通信が使えて、5100円!

 

では,順に説明していきたい。

iPad mini5

wifi-cellular版である。wifi版なら安いが、モバイルで使う場合、データの同期時にどうしてもモバイルルーターか、スマホのテザリングが必要になってくる。これは接続に一手間かかる上に、筆記に必要なもの以外を常に携行するという点で、面倒に感じる。それ故、単体で通信できるcellular版は必須である。別途SIM契約が必要とはなるが、後述の格安プリペイドSIMを入れることで、月200円ほどですむ。これでシンプルなモバイル環境が整うのだ。

さてこの機種、実はソフトバンクのキャリア版をヤフオクで落札したもの。SIMロック(キャリアのSIM以外使えない仕様)がかかっていたが、今年の夏以降、販売から101日経過した機種は、ソフトバンク利用者以外でもSIMロックを解除(有料3000円)できるようになっているので、無問題である。

電池の持ちが素晴らしい。スリープ中はほとんどバッテリが減らない。windowsタブレットとは、月とすっぽんである。当然発熱もない。

薄くコンパクトなので、教材等といっしょに持ち運んでも苦にならない。iPadPRO(9.7)も試したが、重量の問題で、常用はできないと判断した。本体350gあたりが私的には限界と感じる。

20191229_002305 ケースはAmazonで購入。1000円ちょっと。
一般的な磁石を仕込んだケースで、スリープに対応する。
色がザクっぽく、普段使いらしくて良い。
実は同製品の青色(グフ?)も予備で買っていて、まぁ気分次第で変えるつもり。3倍速くなるかも知れない赤色は残念ながら販売されていない。
右上のしおりのようなものは、開けやすいようにシール付きフェルトを貼り付けたもの。
20191229_002646 開くと、スリープから復帰、指紋認証で即ノートテイキングができる。写真はOneNoteと電子ペンである。
ペンも磁石が仕込まれているものを購入したので、普段はカバーに貼り付いている(まぁよく外れているが)。

 

ペン2種

どちらも2018年以降のiPadに対応したもの、細く若干柔らかい芯、全体の形状が円筒形でないもの、磁石仕込み、という条件でAmazonで探して購入したものである。アップルペンシルは、以前にiPadPROを試したときに購入したが、カツカツ音がするわ、ころころ転がっていくわ、あまり良い印象はなかった。そしてなんといっても高い(10000円以上)。その点、今回購入のペンは、そこそこ書きやすい芯、転がらない形状、本体やカバーにくっつく可搬性、そして何より3000円台の価格と素晴らしいコスパである。

image筆圧や傾きには対応しない(描画には向かない)ものの、パームリジェクションが機能するので、手の甲がついても問題なく書ける。Bluetooth接続しているわけでもない、ただのタッチペンのようなのだが…、どういうわけかちゃんと書けてしまう。どうやら『2018年以降のiPad』というところに秘密があるらしい。

ただ…、androidタブレットで使えたwacomペンのフィーリングには、はるかに及ばない。今回の記事の冒頭で[―(ほぼ)整った―]と書いたのは、この部分が満点ではないからである。

20191229_004923 20191229_004949image 普段使いのペン。断面が円ではなく一部欠き取って平面にしたような(昔のダイエーのシンボルマークのような)形をしている。アップルペンシルと同じくらい(細身のサインペンくらい)の太さ。フェルトを貼り付けた部分にスイッチがある。充電は頭の部分にあるUSB端子で行う。けっこうバッテリが持つ印象である。
20191229_004849 20191229_004802 断面が六角形の鉛筆型のペン。上のペンより細く本当に鉛筆を模すことを第一に考えて作った感じの製品。ペン先も細く柔らかいので書きやすい。しかし残念なことにこのペンは、その細さからか、まるでバッテリが持たない。常に充電が必要な感じであり外では使い物にならない。ということで自宅の机上用となっている。 バッテリ以外は満点に近いのに、とても残念な製品である。
20191229_011641 20191229_011748 (参考)こちらはandroidタブレットで使っていたドスパラのお絵かきタブレット専用のペンである。外側は木製のほぼ三菱鉛筆である。つまりペン本体はとても細いということ。そして充電が不要。どちらもwacomテクノロジーの電磁ペンであることがその理由。そしてペン先が細く、さらにフェルト芯が使える。このことから本当に軟らかい鉛筆で書いているような感覚が得られ、とても書きやすい。
この書き味がiPadで実現できれば最高なのだが…。

アプリ2種+IME

その1 OneNote

2003年の発売から使ってきたこのアプリは、windowsアプリだけの時代が長くあった。その後モバイルの普及に伴って、iOS版、android版、WindowsStore版がリリースされた。このことで1つの情報をさまざまな場所で共有できるようになった。このアプリが使えるモバイル環境をずっと求めてきたのだ。

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図書の十進分類のように、大項目から中・小・細とタブで分類して、ページを管理するアプリ。   タブをたたむと、ページエリアが拡がる。完全にタブを隠すこともできる。
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手書きペンの種類・太さ・色を変えることができる。これが電子ノートの魅力の1つ。   webページの取り込み、図形や写真の挿入、テキスト入力・表計算など、記録に必要な要素はそろっている。とくにweb取り込みは、中のテキストを抽出できるので、便利である。

その2 GembaNote

2016年のプレリリース期間に使っていたこのアプリは、正式リリースで年間5000円というけっこう高ビーな価格設定をしてきた。しかもiOS版のみリリースということで、それ以降は使っていなかった。しかし機能のベースとなるMetaMojiNoteの使いやすさは熟知しており、それに加えてGoogleカレンダーとの完全連携という素晴らしい機能性は捨てがたく、けっきょくこのアプリを使うためだけにiPadmini5に戻ってきた格好となった。私にとってキラーアプリである。

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基本は、日付にリンクされた複数のページをまとめたノートを使い分ける構造である。OneNote同様、ページのどこにでも、さまざまなコンテンツを配置できる。   特長その1
1つのページをどんどん拡大していって、1ポイント単位の細かい文字を書ける。つまり実は模造紙か,もっと大きな用紙を1ページとして扱っているというイメージである。
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特長その2
多くのコンテンツを盛り込める。右のツールボックスを引き出すと登録してあるコンテンツをすぐに貼り付けられる。
  特長その3
一番の特長は、Googleカレンダーとの連携である。ページを日付と関連づけることができ、その中のカレンダーコンテンツに書き込んだこととGoogleカレンダーが完全に同期している。
上の図は12/23に紐付けしたページの中に、週カレンダーコンテンツを貼り付けている(他の日も表示されて編集もできる)。

IME Mazec(手書き日本語入力)

上のGembaNoteと同じMetaMoji社の製品。これはwindows版とandoroid版もある。

私はandroid版も常用している。手書きに特化した便利なIMEである。

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基本は、手書きで入力した文字を逐次変換していって、テキストコンテンツに入力するスタイル。部分的に漢字・ひらがなを混交して入力できるのも便利。文字の癖を学習させられるので、使うほどに誤変換が減っていく。   上の図のように、手書きのまま、どんどん入力しておき、後から漢字に変換することもできる「後から変換」機能もある。これはメモ取りにはたいへん便利な機能である。
IMG_0041   それどころか、手書きで『描いた』文字であっても、後から変換することができる。
まぁこれはMazec+GembaNoteの組み合わせでしか機能しないが。

 

通信 CALENDAR SIM

月に1GBしか4G通信はできないが、逆に言えば3G通信のみであれば無制限に通信できるSIMである。ちなみにiPadの場合、設定>モバイル通信の中の「4Gをオンにする」をキャンセルすると、3Gのみで通信を行う。3Gといっても動画を見ない限りは体感は変わらない。むしろ山間部の建物の中で使用することが多い私にとっては、3Gの方が電波のつかみが良いように感じる。

このプリペイドSIM、残念ながら2年間版はこの11月で販売を終了してしまったが、1年間版はまだ販売継続されており、年間2900円である。

 

以上のセット環境でようやく、

・必要なときにすぐに書き始められること

・思った通りの文字や図形が書けること

・バッテリの持ちや発熱に対する気遣いが不要であること

など紙のノートとペンなら、当然のことがようやく実現できたわけだ。

そこに電子ノートのプラス要素として

・ページが増えても物理的な重量は増加しないこと

・複数のノートを1つの端末で扱えること

・データを複数の端末(場所)で共有できること

・訂正・追加・削除・移動・複製などが手軽に行えること

・字が汚くてもテキスト変換で清書されること

・豊富なペンや色・太さを自在に変えて、文字や図形がかけること

・webページやPDFの資料などに書き込みができること、テキストが取り出せること

・そしてメモを取るという行為が、面倒と思うより楽しいと思えるようになること

以上のメリットを挙げることができる。

やっとここまで来たか、という感じだ。

 

後はなぁ…

・ペンの書き味。これさえwacomペン並みになればベストなのだが。

・さいきん特に老眼近視がひどく、実は7.9インチのiPadminiは見づらい…。本当は10インチ以上欲しいのだが、これは重量とバッテリの問題があって、現状ではトレードオフである。E-ink端末くらい軽くなると良いのだが。

 

自己リンク

本当の電子「手帳」が欲しい 2012.1

電子メモの具現化のために OneNote編 2012.2

電子メモの具現化のために HP Slate2編 2012.2

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