勤務先猪名川町は国史跡指定の多田銀銅山で有名である。
今回「金属を熔かしてみよう」という体験学習会があったので参加した。
大阪文化財研究所の伊藤幸司先生が中心に、銅の精錬・鋳造の歴史、鋳造の実際の手順を見せてもらった。
江戸時代に住友が大坂長堀で精錬・鋳造していた銅は、表面にできる酸化物の亜酸化銅が見事な赤色であることがステータスであったらしい。
今回の実験では、沸騰した塩水に熔けた銅を流し込むという操作でそれを再現していただいた。
銅を溶かすということ自体が1100度以上に熱する必要があり、古代にそれを実現した「るつぼ」の構造を解明する研究の話など、実に興味深く、学問の楽しさに触れることができたように思う。
|
|
鼓銅図録より |
銅の鋳造のようす |