Nゲージの鉄道模型車両に専用のカメラを組み込んでみた。
鉄道研究会WOOではなじみの「トレインスコープ」だが、自分で組み込むのは初めてである。
左のボックスがカメラユニット。 無線で受信機に映像を飛ばす発信器なども入っている(と思われる)。 中央がメインユニット、カメラユニットへの電力の供給など(よくわからん)を行っている。 右上がバッテリである。 |
今回、このカメラを組み込むにあたって2つ改造を施すことにした。
・付属バッテリを乾電池に換えること
・カメラを列車の進行方向に向かって首を振るようにすること
さて、このトレインスコープ、線路からの給電を受けて作動する。また5V以上の時は接続したバッテリに充電する機能もある。線路からの給電が弱いとき(低速走行時)はバッテリからの給電で作動する。列車を高速で走らせる分には問題ないのだが、ローカル線など常に低速で走行するような場合、当然電圧が低いのでバッテリから給電となる。しかしそのバッテリが120mAしかなく、すぐに切れてしまうのだ。かといってローカル線を充電できる電圧(速度)で走らせると、それはもう暴走状態である。
ということで今回は付属のバッテリに換わり電池を使うことにした。電池なら電圧が下がってくれば新しいものと交換すれば良いので、充電のために走行に気を遣う必要は無いのである。
左が電池とユニットとカメラを組み込んだ車両 右が改造前の車両である。 電池は車両の長さの関係で単5とした。ニッケル水素電池などが使える単4にしたかったのだが車両のサイズの関係で致し方なし。電池を簡単に交換するために車両本体の天井部分に穴を開けている。屋根を外せばすぐに電池にアクセスできる。 |
電池ボックスは単5用のものだが、車両本体の窓と干渉するので、側面は大きく削ってある。
この電池ボックスにはスイッチをつけており、車両妻面(貫通扉)からON・OFFの切り替えができるようにした。
この電池ボックスを付属のバッテリの代わりにユニットに接続した。以上で電池からの給電は完成である。
次にカメラの首振りについて。鉄道模型は実際の鉄道に比べてかなり急なカーブを曲がっている。外から見ているだけなら、それに気づくことは無いのだが、カメラを仕込んで中からの映像を見るとかなりの違和感を感じる部分がある。それはカーブの入り口である。
列車がカーブにさしかかると車輪を挟んだ台車がカーブにそって曲がり始める。しかし車両は遅れて曲がるので、車両側にあるカメラからの映像はカーブの外側を向いた状態となる。するとカーブの外側を眺めながら斜めにスライドしていくような映像となるのだ。見ているとちょっと気持ちが悪くなる。これを解消するためにはカーブと直結している台車の動きとカメラを連動させれば良い。ネット上で検索するとリンク機構など高度な工作で台車以上に内側を向くような仕掛けを実現している方がおられるが、これは私の技術力ではとうてい無理なので、素直に台車の動きとカメラを連動させる仕組みを考えた。
コードホルダーをニッパで切り |
車両内で左右に首を振れるよう角を落とす |
台車と接着し、この上にカメラを接着する。 |
カメラが動けるように車両の内側は角を削っている またガラス部分は外してある |
カーブに沿ってカメラが首を振るようす | 左の車両は前面窓の桟を残しているが、いずれ右の車両のように取る予定である |
以上で、カメラの首振りは完成である。
今回、2つのカメラを前後端の車両に取り付けた。手元のモニタは受信機のチャンネルを切り替えるだけでどちら向きの映像も映すことができる。WOOの走行会は単線往復のローカル線があるので、行きも帰りもどちらも前面展望を映す準備ができたことになる。あとは離れた場所にある大型TVに接続した受信機の切り替えをどうするか、が問題である。
お茶の間レイアウトと車両からの眺め(両側)