大阪平野から西を見ると、六甲山が見える。その六甲山の手前に「兜を伏せたような」小山を見ることができる。この特徴的な山が甲山である。火山のように見えるが…
この山は、この場所で噴火によってできた火山ではなく、「地下深くで」花崗岩の中を貫入してきた溶岩(安山岩質マグマ)が冷え固まったものである。この貫入岩塊が、六甲山ができる原因となった六甲変動という隆起の中で周囲の花崗岩とともに高さを増していった。そして隆起の過程で、風化しやすい周囲の花崗岩が崩れ去り、取りのぞかれて行く中で、硬さを保ち残ったものなのである。
例えるなら、地下深くで眠っていたのに、持ち上げられ、布団を剥がされたという感じだ。
神戸の自然シリーズ 「六甲山はどうしてできたか」より |
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宝塚市雲雀丘山手から撮影 |
甲山周辺の地質断面図 |
山頂まで上ってみると、頂上部は広場のように広く平らである。太古の昔に、我々の窺い知ることのできない深い地下で、今の山頂部に当たる地点で溶岩の貫入が止まったかと思うと、なんとも不思議な感じがする。
山頂部にて 2006.04 |
南にある北山ダム側から撮影 2020.04 |
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