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CIMG3633職場からの帰り、東の空に満月を見る。調べたら真の満月(望)が18:16だったので、ほぼ完全な円だったようだ。

翌朝のバスからも白い満月が西の空に見える。冬の満月は月の出ている時間が長い。今回は15時間あまり月が見えていたようだ。これは夏に太陽が出ている時間が長いことと真逆の関係であると考えると理解できる。満月とは地球を挟んで太陽と反対側に月がある状態なので、冬の満月は夏の太陽と同じような経路を天球上に取ることになるためだ。

さてバスを降りた瞬間、道路の先に太陽が見えている。ということは反対方向に満月が見えるはず…。見えるかどうか高度が問題だが、はたして振り返って見た道路の先にある林の上に満月が浮かんでいた。CIMG3640

1億5千万km先にある太陽と、その光を受けて38万キロ後ろにある月が輝いている。その月は昨夕から一晩中、光り続けていたののだ。壮大な劇場であるかのように感じた。

またバス下車後に月の位置を予測できた。理科の有用性を体感できているわけで、嬉しく思う。

 

 

明け方の東の空に明るい星が見えている。

てっきり金星かと思ったのだが、調べてみると金星は今、太陽のすぐそば(の方向)にあるので、また地平線の近くにあり、見えないはずだ。

調べてみると、方角と高度的に、どうやら火星のようだ。ただ明るさが1.5等級程度のはずであり、それにしては明るく見えるのが不思議である。

【この手の天文の位置情報は国立天文台のHP「暦計算室」から得ている。】

⇒訂正 火星にしては余りに明るいので再度調べてみると、やはり金星のようである。調査地点の入力を間違えたか?

ちなみに今回の写真はスマホで撮影してみた。拡大するとアレだが、撮影(→GooglePhotoに自動転送)→PCでダウンロードという手順で手軽で良い。

本年もよろしくお願いします。

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初日の出 7:14ごろ
ちなみに近畿では一年でもっとも日の出が遅くなる時期である

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日の出40分前の東の空 新月直前の月

 

日の出の時刻や日の入りの時刻は、季節や緯度によってかなり変化がある。これについて次の図が分かりやすい。

冬至の日の出と日没の等時刻線
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国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki > 日の出入りと南中 から引用

冬至の頃は、地球の公転面(太陽光線と平行)に対し、北半球が顔を背けた状態になっている。そのため日の出は南寄りからやってきて、日の入りは北寄りからやってくる。この結果、北海道などは日の出が遅く、日の入りが早い(昼間が短い)ということになる。逆に夏至ごろの北海道は昼間が長い。

木星・土星・金星の並びと月が一目の中に。

月は公転によって(白道上を)1日に約12度ずつ西から東へ移動する。

昨日は土星の近くに見えたので、一昨日は金星の近くにあったはずだ。

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(ほぼ皆既だった)部分月食から2週間。あと少しで新月である。

明け方、東の空には、細い月(29日目の月)が見られた。

 

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月の下に見えているのが火星。

この2時間半後に、公転してくる月に火星が隠される火星食という現象が見られるが、日中のため肉眼による観測は不可。

ちなみに明日(2021年12月4日)は、金星はもっとも明るく見える最大光度、月は新月、そして太陽は新月に隠される皆既日食(ただし南極の一部地域のみで観察可)と天体バラエティの1日である。

この日は98%が欠ける部分月食があった。もうほとんど皆既月食と言ってよい食分の月食である。

関西では月が欠けた状態で昇ってくる月出帯食(げっしょくたいしゅつ)で、欠け始めは見えない。最大食分は月の出から30分後くらいの午後6時過ぎである。

今回の月食は観察の好条件が重なっている。まず時刻が多くの人が活動している時間帯である。また月の出直後なので月の高度が低く、視線が水平に近いため観察が楽である。さらに真冬に比べると多少は気温もマシである。最後に天気も高気圧におおわれ快晴の予報である。

一方でデメリットもあり、先に書いたように月食帯食なので、月食のすべては観測できない。また高度が低いため空が開けた場所をあらかじめ探しておかねばならない。TVのニュースなどで「東の空が開けた場所…」というアナウンスが目についたが、正確には、「北寄りの東の空」であり、ちょっとした角度の違いで建物の影になったりする可能性があり前日のロケハンなどが必要である。最後に月の出の午後5時半くらいから観測を始めようとすると、宮仕えの勤め人にはツラい。

さて当日、急いで帰宅。すでに北東の空の低い位置に赤い月が現れている。いったん家に戻り、あらかじめ用意していた望遠レンズをつけたデジカメとタイムラプス用のデジカメの2台を持ち出し、駐車場の端で撮影に挑む。望遠レンズは、アナログ時代の200mmレンズ+1.4倍テレコン+マイクロフォーサーズ用アダプタで、560mm相当である。ピントは手動となるが、拡大画面を見ながらピント合わせができるのでよし。またISOとマニュアル露出により赤銅色の月の様子を捉え、10秒のセルフタイマーで手ぶれをわずかに抑え、下写真のようなまぁまぁの画像を得ることができた。ちまたでは「iPhoneの限界」がトレンドワードに入っていたらしい。これはスマホで撮れる写真ではないわな。逆に天体望遠鏡に直づけした画像よりは見劣りがするが、むちゃくちゃ重い望遠鏡(と三脚)を駐車場に据えるわけにはいかないので、まぁ今回は始めから諦めていた。

ISO3200 F4(開放)1/4秒 画像は一部切り出し・アンシャープマスク

ちなみに地球の影に入って見えないはずの月の表面が見えるのは、地球の端を通過した太陽光線が屈折して月を照らすためだ。赤銅色なのは、この通過時に波長の短い青色系は散乱してしまい、波長の短い赤色系だけが残るため。

DMC-GX7 タイムラプス(1分1枚、15fpsなので90倍速) 実際より明るく写っている。

6時を過ぎると、地球の影から月が姿を現しはじめる。月の表面に落ちる黒い弧の部分を延長して一周させると、地球の大きさが想像できる。

P2310051b

見つけられるかな?

月の月齢は正午で1.7、撮影時刻で約1.9なので、ほぼ三日月(暦でも三日月)。

金星は12月末までの間は、夕方西の空に見える(宵の明星)。いま太陽より先にあるが、徐々に地球に近づいてきて、太陽と地球の間に入ってくる。地球に近づくほど見かけの大きさは大きくなるが、太陽にも近づくため影の部分の割合が大きくなる。つまり金星の見た目の明るさは大きくは変わらない。それでも12月4日が、ほどほどに近く、ほどほどに輝く部分の割合も多くて、もっとも明るく見えるようだ。

ちなみにこの日、火星は合といって、太陽の向こう側にある状態。火星と地球がもっとも離れた位置と言える。写真でいうと三日月の右下に隠れている太陽のその先に火星があるということだ。地球からの距離は約3億8000万キロである。

久々に三日月の撮影(左が昨夜で月齢2、右が今夜で月齢3)

P5200370 P5200376

三日月というのは、新月を1日目として3日目の月という意味。そういう意味では左の写真が正しい三日月ということになる。

輝いているのは太陽の光を反射しているからだが、それ以外の部分もうっすらと形が見える程度に見ることができる。これは地球照といって、地球に当たった光が反射して月を照らし、それがまた反射して見えるものだ。日本よりも西にある昼間の地域(角度的に東欧あたりか)に当たった光が、38万キロ離れた月との間を往復して、今見えているということだ。

夕方、西の空に明るく見える星が2つ。惑星の木星と土星である。

P5200328a
2020.12.20撮影

この2つの星が日に日に近づいていき、21日には視野角0.1度まで接近した。

久々に望遠鏡を取り出し、アダプターを付けてカメラで撮影してみた。

天体撮影の場合、露出(絞りやシャッター速度)はマニュアル、ピント合わせは望遠鏡側で行う。

ピント合わせやシャッターを押すだけで望遠鏡が揺れるので、10秒のセルフタイマーを用いて撮影した。

天体望遠鏡で撮影…というと、imageこんな感じを想像すると思うが、

素人が買える望遠鏡では、下の写真程度である。

☆P5200357 telescope2080 ☆P5200345
何とか土星の形が見える?   ガリレオ衛星を写すと木星は露出オーバーとなる

 

撮影をしているうちに、西の稜線へ没していったので、上弦の月も撮影。

月P5200364

こちらは惑星と違って、大きく明るいので撮影は楽である。

ちなみに月の直径は地球の1/4、木星は地球の10倍で、40倍の差があるのだが、距離が圧倒的に違うため、見た目の大きさはご覧の通りである。

上弦の月は、横から光の当たるのでクレーターの凹凸が分かりやすい。

P5200171

月齢は14、明日の14時頃が真の満月(望)であるが、見た目はほぼ円である。

月が赤く輝いて見えた。この日は午後から周辺で局地的な雨が降り、空気中に小さな水滴が残っていたためだろうか。

DCIM\100GOPRO\GP__0141.JPG

午後9時撮影:月の色は白色に戻っている。月の右にある明るい星は木星である。

DCIM\100GOPRO\GPAB0144.JPG

同夜午前0時半撮影:月はさらに西へ移動。月の左にある明るい星は火星である。

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