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青春18切符を利用して、北陸地方へ行ってきた。

北陸地方にした理由は2つ。

北陸地方の私鉄やJRローカル線も30年以上乗っていないこと、もう一つは来年の北陸新幹線の開業である。

北陸新幹線開業とともに北陸本線は県ごとの第3セクター会社となり、JRではなくなってしまう。つまり青春18切符を利用することができなくなるということだ。訪れるにはこの夏がラストチャンスである。ということで富山県高岡を中心とした北陸本線&青春18切符の旅となった。

早朝、雨の中を川西池田駅まで歩く。

0522 川西池田ー大阪0544

0555 大阪ー京都0628

0631京都ー近江今津0735

京都駅からは湖西線、昔の新快速電車の117系が当時のカラーで走っている。

ゆとりを持って家を出たので、予定より一本速い列車に乗れた。このことで近江今津駅で38分の待ち時間が生じたので駅前を散策する。近江今津は有名な「琵琶湖周航の歌」のご当地であり、資料館がある。また琵琶湖に浮かぶ竹生島への観光船乗り場がある。時刻が早いだけにどちらも営業前であった。

駅前のコンビニでホットコーヒーを買い、駅の待合室で飲む。

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0813 近江今津ー福井0944

2両編成の電車が入線すると同時に乗車する。あとから京都から来た列車の乗客で満員となったので、一本早い列車に乗れたことは、今津駅前の散策とともに座席確保というメリットもあった。

201408XZ-123今津からの車窓。谷霧が発生し幽玄な景色である。

0948福井ー金沢1125

1136金沢ー七尾1302

福井駅4分、金沢駅11分、七尾駅6分と近年JRのローカル線同士の接続がたいへん良いように思う。一方で休憩や食料の調達に困ることがあり、先を見通した行動が必要である。今回は近江今津駅でお茶などを補給しているので安心である。

北陸本線・津幡駅から七尾線に入る。ここは初乗車である。

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(1枚目)七尾線に限らず、今回の旅の中心地・高岡周辺で乗った列車はラッピング列車が多かった。

(2枚目)途中の千路駅前の雑貨屋。昔ながらのたたずまいで、途中下車しようかと逡巡したくらい。

1308七尾ー穴水1347

七尾駅からはのと鉄道七尾線に入る。ちなみに七尾駅と次の和倉温泉駅の間はJR西日本とのと鉄道の共用区間である。この区間はJRの普通列車は走っていないので、のと鉄道の列車に乗るしかない。料金は通しで乗る場合は、JR線として扱うことになっており、青春18切符で乗車した場合も、この区間の料金は不要(のはず、実際は終点の穴水駅で精算したときに和倉温泉から乗車した料金になっていたので、そう解釈している)。

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穴水駅にて、アニメ「花咲くいろは」のラッピング列車。途中の駅で鉄道ファンでもなさそうな若者が何人もカメラを構えていたのは、このせいだったかと納得。思えば一昨年の伊豆急行でも「夏色キセキ」というアニメとのコラボ列車があった。アニメの舞台をあえて現代の地方に置き、「聖地巡礼」と称するアニメファンを呼び込むという戦略はなかなかのもの。地方の再発見という意味では「男はつらいよ」シリーズなど映画の手法の現代版とも言えるが、地元や鉄道会社とのタイアップという点で進化していると言えよう。

ちなみにアニメの件だけでなく、訪問地のいろいろな情報をその場で調べることができるタブレット端末というのはほんとうに便利なものである。今回はスマホとミニタブレットの2つ(どちらもMVNOのSIM入り)を携行した。

穴水駅は、昔の国鉄のジャンクション。ここから蛸島まで61kmの能登線と輪島まで20kmの輪島線がでていた。残念ながらどちらも乗車したことはなく、第3セクター化ののち廃線となってしまった。若いうちに乗っておけば良かった…。今思えば、若い頃は走行写真も撮っていたので、七尾線を含め能登半島の3路線を全て乗って撮ってとなると一日では済まないことから敬遠したのだろう。また北陸ワイド周遊券では乗れず、能登半島の追加券(G券)を買わなくてはいけなかったというのも、貧乏な学生には敷居が高かったのかもしれない。

穴水は折り返しの列車を見送って駅前散策をする。めぼしい観光地は1時間では無理そうだったので、喫茶店で食事・休憩。外に出ると晴れ間がひろがってきていて初めての日差しを感じる。そして帽子を忘れたことに気づく。

1508穴水ー七尾1549

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(1枚目) この地方独特の「ボラ待ちやぐら」…観光保存用

1600七尾ー津幡1709

1712津幡ー高岡1736

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今回の旅の中心地・高岡駅に到着。とりあえず明日乗る予定の万葉線やホテルの場所を確認する。

写真は万葉線のアイトラム「ドラえもん列車」

1811高岡ー氷見1839

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(1・2枚目) 雨晴駅付近の車窓 (3枚目) 30年ほど前に撮影した同地点の写真

1846氷見ー高岡1916(泊)

1日目終了。お泊まりは駅前のビジネスホテル。

夏の旅行の定番・青春18切符。32年前の発売開始からけっこう利用してきた切符だ。

最近はほとんどが磁気切符ベースに印刷されたものだが、マルス機器の設置されていない一部の駅では、普通の紙ベースの切符(常備券)として発売されている。これが赤い紙なのでマニアの間では「赤い青春18切符」として人気がある。別に紙だからといって安いわけでも便利なわけでもないのだが、風情はある。

この切符を買いに車で厄神駅まで行ってきた。高速を利用して片道1時間。高速代1350円。

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ついでに加古川の鉄橋で列車撮影。

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さらに6年前に廃線になった三木鉄道(もと国鉄三木線)の三木駅付近を改修した三木鉄道記念公園に立ち寄る。

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もともとあったレールを利用した遊歩道やレールサイクル(左側の白い部分)。

ポイントのレールも、そのまま残してコンクリートやアスファルトで埋められていて、もう復活することはないのだというもの悲しさを感じさせる。

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在りし日の国鉄三木線

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この日は平日。職場は期末テストの1日目だ。

今年から計画的に休みを取ってリフレッシュしようと思い立って、初めての実施した計画休日。

さて、以前からドライブしたいと思っていたのだが、どこに行こうか。おりしも季節は梅雨のまっただ中。

幸いなことに天気予報は雨ではない。天気図を見ると近畿地方の北側が大陸側の高気圧の圏内だったので、日本海側に行くことにした。

走り始めて、三田から舞鶴道・豊岡道を通るあいだに香住(香美町)に行くことに決定。八鹿の道の駅で情報を仕入れる。

その後、近くのGSで軽油を補給した際、スタンドのおじさんに燃費を聞かれる。「高速と郊外だと20くらいですね~」と答えたものの自分でも曖昧だったので、このあと自宅に戻るまで計測してみたら22.4km/lだった。ガソリンとの価格比を考えると、ガソリンなら25.6km/lということになる。定速走行が多く、エアコンも使わない・窓を開けないですむ気温で(空気抵抗が小さい)、エンジンも十分に暖まっているというディーゼルエンジンの性能が最高に活きる場面とはいえ、比較的大きな部類の乗用車としてはすばらしい燃費である。

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さて第1の目的地は、村岡にある「味取の俵石」である。

豊岡の玄武洞と同じく、玄武岩溶岩の柱状節理と板状節理が目の当たりにできる。

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GN2_1406240353 つづいて香住へ。

むかし相棒殿と行った「三七十鮨」に行きたかったのだが、残念ながら定休日。

観光バス相手の海産物屋でカニ丼を食べる。まぁカニは缶詰、大量に載っているカニ味噌は現地産とみた。

 

第3の目的地は餘部橋梁(今、餘部鉄橋と打ちかけたがコンクリート橋も鉄橋で良いのだろうか)。

もともとあった餘部鉄橋の横にコンクリート製の橋梁がかかっている。いままでの鉄橋が有名すぎるので、コンクリート製の素っ気ない構造を無粋とみるか機能的とみるか、意見の分かれるところだろう。私としては、もう少しデザイン的な側面も加味して欲しかったというのが実物を見ての感想だ。

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もとの鉄橋は駅側3つを残して、観光施設〔空の駅〕として開放している。発想は良いのだが、いかんせん安全のため、せっかくの景色も鉄格子越しである。まるで檻に囲まれたようであり、〔空の…〕というには今ひとつ。写真は格子の間から撮れるので、まぁきれいには写るのだが(右上・右下)、写真だけ見て現地に行ったら、かなりがっかりするだろう。

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駅に向かう途中の坂道から分岐した道を上がると鉄道撮影ポイント。もちろん鉄道写真の撮影を行う。ちゃんと時刻表を持って来ているあたり、ここに来ることもかなり想定していたということだ(→自分)。

左の海の鮮やかさを際立たせたくて、手前に木をシルエットで配置する構図を取ったが、ちょっとうるさかったようだ。素直に右下の構図で撮れば良かったと反省。

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だんだん天気も良くなり、気温も30度近くになってきた。ただ風が強くたいへん心地よい気候である。

 

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最後に山陰海岸ジオパークを海から眺めるということで三姉妹船長として有名な遊覧観光船「かすみ丸」に乗ることに。

14:00出港に合わせ、早めに船乗り場に行くが、平日なので予約客がおらず、現在乗客は私一人。このままでは出港しない(ペイできない)とのこと。

とりあえず14:00前にもう一度来ることにして、近くの岡見公園へ。ここは陸繋島といい、3つの離島が、潮流で運ばれた砂で陸地とつながったものらしい。眺めが良い。

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さて、13:50再び船乗り場にやってきた。相変わらず客はゼロ。あきらめかけていたところに、マイクロバスのお年寄りグループ11名が颯爽と登場。救いの神である。

これで出航は確定。次にコースであるが、時間が異なる3つのコースがある。私としては名勝・鎧ノ袖が見れる2コース(1時間)か3コース(1時間半)にしたかったのだが、お年寄りグループはかなりお酒も召されていて、トイレが不安だし、船酔いもイヤだということで1コース(30分)の意見が優勢。あまり強く意見も言えないままお年寄りグループの要望通り1コースに行くことになった。まぁ致し方なし。

結果としては、短時間ではあったものの、いろいろな岩石や海岸地形の学習となり、良い遊覧となった。船を操縦する女性も(3姉妹にも二組あり、今日は初代船長、つまり年配の方)かなり学習しているようで、一般の奇岩や・何かに見立てた○○岩といった役に立たない知識の紹介は少なく、実に学術的にシフトしている案内であった。ジオパークとして指定されたことも影響しているのだろう。

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上写真

左の二枚は、岩石の違いが色で分かる。どちらかが元々の地質に貫入してきた火成岩。

上・右写真は海食洞。

下写真

左は大きな礫を含む火山岩。元々大きな礫岩層に溶岩がやってきて、大きな礫が残ったと思われる。

右は凝灰岩。比較的柔らかいので、波打ち際が浸食されて凹んでいる。表面も風や波による浸食で削られ、中に含まれている礫が表面に表れている。

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以上の記述は、おおむね船長の説明によるもの。普通の遊覧船とはかなり違うことが分かっていただけると思う。

 

15:00前には港に戻り、18:00には自宅に引き上げた。有意義な休日であった。

富士登山6 下山

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15:20 下山開始(標高3715m)

ざくざくとブルドーザー道兼用の下山道を歩く。私は前回と同じく右膝が痛い。また下山は足先に体重がかかるため、皆同じようにつま先が痛いようである。昨年考案?した後ろ歩きを勧める。近くを歩いていた登山グループのリーダー格の人も「これが意外と楽なんですよ」と話しながら後ろ歩きをしていたから、そんなにイリーガルな歩き方でもないのかもしれん。

(下中写真)ピンク色のウェアが下娘、登っているように見えるが、後ろ向きに降りている。写真を撮っている私も後ろ向きである。1時間足らずで須走・吉田ルートの分岐点(標高3270m)、八合目に到着。

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八合目以降も基本は幅の広いブルドーザー道の下山道である。どんどん高度が下がり、太陽が頂上側に隠れていく。

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17:20 七合目(標高2920m)

ここから砂走り下山道が始まる。走コースの楽しみの一つだったはずなのだが、期待が大きすぎた分、失望した。失望した理由は、砂の中に岩が多く含まれていて安心して走れないこと、コースの幅が二人が横になれる程度しかないことだ。これではスピードが出すぎたときに、けがをしないか心配で思いっきり走ることはできない。さらに前日雨が降ったことで砂の抵抗も大きいことも原因であろう、真剣に飛ぶように体重を預けるとブレーキが掛かり、つま先や膝に大きな負担がかかる。この砂走り区間、皆、思うように下れず、後ろ歩きを併用して普通の歩きで下ることになった。けっきょく踏破するのに1時間20分もかかった。ガイドブックの標準タイムは1時間15分とあるので、まぁ普通なのだろうが、つま先の痛さに日暮れへの焦りも加わりけっこう長く感じた。コースタイムでは50分と書いてあるが、これは本当に条件が良く走ることができた場合の時間のようだ。

御殿場ルートの大砂走りと比べると、同じ「砂走り」と呼ぶのが失礼なくらいの違いでたいへん残念であった。

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18:40 砂払い五合目(標高2300m)到着201307XZ-275201307XZ-274この山小屋は18:00までで、到着したときは人の気配すらなかった。完全制覇記念焼印の文字がむなしい。

さて、ここで試練というか、準備ミスからたいへんな事態になってしまった。はじめに書いた準備物の項で「たいへんなものがチェックされていない」と書いた。まもなく午後7時、もうおわかりであろう。懐中電灯を持ってき忘れてしまったのである。私の分のヘッドライト一つしか無い状態で夕暮れを迎えてしまったのだ。

陽はとうに富士山の向こう側である。空はまだ明るいが、樹林の中に入ってしまうと薄暗い。富士山の登山道で唯一の樹林区間がある須走ルートだけに、日暮れ対応は必須であったのに忘れてしまい、さらにその時間帯にまで下山が延びてしまった。たいへん危険な状態である。

砂払い五合目のあと、しばらくはブルドーザー道を下山できる。このまま下山できないものかと淡い期待を抱いていたのだが、残念ながら途中でブル道に通行止めのロープがかかり、樹林コースに誘導する標識があった。

安全のことを第一に考えるなら、このままブル道を下山するのがベストである。だが調査不足でこのブル道が登山口近くにつながっているという確信が持てなかった。これまた失敗なのだが、GPS機能のあるタブレットを持っていたのだが、電池が切れていると思い込んでいてその場で確認することもしなかった。コースタイムではおそらく登山口まであと30分、空は明るいし、まだ道も目視できる。だいぶ逡巡したが、後にも下山者がいることを頼りに(後から抜かれてしまうのだが)、コース通り樹林帯の下山道を行くことにした。

201307XZ-278写真はブル道:空は明るいが地面はすでに暗い

失敗であった。樹林帯に入って10分も歩かないうちに本当の日暮れ。完全に闇の森の中となった。

一つのヘッドライトを頼りに、私が5m進んで、後ろの家族の足もとを照らし、追いついたら、また5m進み…の繰り返しとなった。木の根のでこぼこ・岩場の高低差もあり、困難を極めた。そんな中で家族の誰もパニックになるでなく、懐中電灯を忘れた私を非難するでもなく、木の根や浮き石の情報を伝達するなど協力して下山できた。塞翁が馬と言うが、普段の生活では感じることの少ない家族の絆というものを確認する機会となって良かったと思う。下っていく中で、「下山道」と書かれた小さな標識がたくさんあったことと、登山者や自衛隊の隊員(訓練なのだろうか)の集団と何度もすれ違ったことは心強かった。少なくとも道は外していない。いずれたどり着くことができるという安心感である。それと登山口に車が待っていることも心強かった。もし麓からシャトルバスで上がってきていたら、バスの最終時刻も気になっていたはずである。ということで牛歩の歩みではあるが、着実に安全に下山することを心がけた。

そんな状態で30分は歩いたであろうか、ようやく視界が若干開け、古御岳神社まで帰ってきた。やれやれである。行きと同様に社殿の扉は閉まっていたが、無事に帰って来られたことに感謝して手を合わせた。

その後は薄暗い中、登山口へ続く幅の広い参道を家族4人が横になって、小さな段差を声を合わせて軽快に降りていった。

19:45 須走ルート五合目(標高1980m)着

お土産屋さんで椎茸茶をいただいて一息つく。

無事生還できたことがもっとも嬉しく、家族全員で富士山に登頂して、お鉢巡りもしてきたってことを忘れるくらいであった。

富士登山5 お鉢巡り

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12:05 須走ルート頂上(標高3715m)201307XZ-199

須走・吉田ルートの頂上には、神社や山小屋4軒が並ぶ。頂上は割と平坦な土地があるのだ。観光地のようで写真のように自動販売機もある。

まずは久須志神社で「富士頂上」「久須志神社」の朱色の刻印をもらう。また下娘に学業のお守りを買う。富士山の頂上なら霊験もあることだろう。上娘には今春に北野天満宮のお守りを買っているので「神様がケンカしたらあかんから買わんよ」と言うと納得する。素直である。201307XZ-200

その後、山小屋のひとつ「山口屋支店」に入り昼食を取る。ここのしるこはカップしるこではなく、鍋で作っているらしい。まともな味がした。

「このあと剣が峰まで行くか?」と問うと、上娘が積極的な答え。時間的にはぎりぎりだが、天候・体力・気力ともに十分なら行かない理由はない。

12:50 お鉢巡り出発201307XZ-206

山小屋の並ぶ平坦な道を歩きだす。トイレと下山道を左手に見て、右側に火口を見ながら(時計回りの)お鉢巡り開始である。

先にも書いたが、流れる雲の中にいるらしく、青空が見えたと思ったら、霧の中に入って視界が悪くなったりと天候がめまぐるしく変化する。それでも雨に降られることもなく、直射日光に灼かれることもなく快適である。

20分ほどで御殿場ルート・富士宮ルートの頂上(どちらも標高3730m)に達する。富士宮ルートの頂上には浅間大社奥宮や郵便局があるが、特に用もないと言うことなので、裏手のトイレだけ利用する。ちなみにこのトイレは日本一高い位置にあるトイレと言うことになる。

さて剣が峰に向かう。ここは昨年は私一人で通った道である。今回は家族全員で歩けることに喜びを感じる。

さぁほどなく馬の背…(下左写真)、並んでる…。最初は手すりを使う人が数珠つなぎになっているのかと思ったのだが、これは頂上の碑の記念撮影待ちの行列だったのだ。斜度20度と言われるこの坂の途中で止まるのもなかなかしんどい。ストック・金剛杖をしっかり立てて姿勢を保持する。

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待つこと30分…この時間は想定外でもったいなかったが、ようやく念願の「家族全員」での富士山山頂である。写真は普段は私か下娘が撮ることが多いのだが、山頂では近くの人が交代で写真を撮るようなムードがあり、気兼ねなく写真を撮ってもらう。めずらしく家族4人が写っている写真である。

14:05 剣が峰(標高3776m)出発

右手に火口、左手には大沢崩れを見ながら、どっちに飛ばされてもアウトやなぁ、などと言いながら進む。WOOのSさん、強風の中をよくご無事で…。ちなみに火口(大内院)の深さは約240m、底に小屋のようなものが見える。

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登山道は雷岩を正面に来ると右手に曲がる。曲がった左側には小さな火口(小院内)が見え、ほどなく右手火口側に金明水の碑が見える。このあたりがWOOのSさんが彷徨した場所のようだ。視界が悪く他の登山者もいないとさぞかし不安だったことだろう、と想像する。

お鉢巡り後半は火口南壁が見える。南壁は日当たりが悪いので万年雪がこびりつき、崩れた土砂が万年雪を黒く汚している。

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14:45 須走・吉田ルート頂上に戻る

約2時間。お鉢巡りに2時間かかることは想定内だったが、これから下山するにしてはやばい時刻になってきた。

しかし休憩・身支度のため、もう一度山小屋で食事。この時刻になると頂上の山小屋は食堂や売店を閉め始めていて、最初の山口屋支店には入れず、隣の扉屋を利用。ここのしるこはカップしるこだった。うーむ。下山グッズであるマスクやスパッツを装備、安全めがねも取り出しやすい位置に置き、靴紐を締め直して準備完了

15:20 下山開始

二日目、いよいよ登頂の日である。

4時前に起床(小屋のおばあさんに起こされた)、みな元気である。良かった。201307XZ-093

4時には朝食、メニューは鮭の切り身・オムレツ・野菜サラダ・キュウリの浅漬け・味噌汁・ごはんである。201307XZ-103

4時30分 小屋前でご来光待ち。

山中湖の向こう、雲の切れ間から、太陽が姿を見せた。同宿の雑誌取材班も当然ながらご来光を撮影していた。久々に中判カメラを見た。

 

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5時30分 本六合目「瀬戸館」出発

このあたりが森林限界で、まだ低木や草はあるが、溶岩や砂礫が卓越してくる。朝日が蒸発させるのか、雲が減ってきた。天気が良くなりそうである。出発30分で防寒具のレインウェアを脱ぐ。

 

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途中、二十六夜月待塔があった。201307XZ-128201307XZ-127

「二十六夜月待」とは、十五夜と同じように二十六夜(新月前の逆三日月)の夜間に集まる信仰行事らしい。登山の安全祈願か、登山者が多量の鈴がかけており異様な感じがする。

6:50 7合目着

標準タイムぴったり。良いペースだ。

7合の太陽館は「焼印はおまへん」「焼き魚定食 ギョギョうま!」などユーモアあふれる看板が特徴?のようだ。

7:10 7合目出発

7合目が標高2920mなのでほどなく3000mである。

このあたりから頂上までの間、雲の中に入ったらしく、日が陰って急に寒くなったと思ったら、風とともに雲が移動して視界が開け、青空が見えて暑くなったりと,天候がめまぐるしく変化していった。

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8:05 本七合目到着(標高3200m)tue6tue5

ほぼ標準タイムどおりで登っている。カロリーメイトの袋が張り裂けんばかりに膨れあがっている。

8:35 本七合目出発

岩場の階段を登ったりブルドーザー道兼用のザレ場を上ったり。ザレ場は前日の雨のせいか、砂が適度に水分を含んでおり、あまり沈み込むことも滑ることもなく歩くことができた。201307XZ-154201307XZ-163201307XZ-167

tue4標識は須走口と吉田口の下山道の分かれ道(標高約3330m)。この時点でうちの家族は最高地点更新である。この標識から少し上れば八合目である。

9:05 八合目「下江戸屋」到着

ここで山小屋で休憩、カップしるこ等を食す。

9:35 八合目出発

10:00 本八合目「胸突江戸屋」到着tue3.jpg

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ここはWOOのSさんが6年前に泊まった山小屋である。同じような時間帯から上り始めて、一気にここまで登ってくるとは、まったくもって恐れ入る。

さてこの山小屋では元NHKアナウンサーの方が泊まり込みで山小屋の様子をニコ動で配信されておられた。われわれも映ったかも知れないが、見るすべも無し。

10:25 本八合目出発201307XZ-180

胸突江戸屋を北側に回るように進むと、吉田ルートのトモエ館がある。ここからは登山者の56%が利用する吉田ルートと合流した共通ルートとなり一気に登山者70%の混雑ルートになる。しかし我々が登ったのは平日、しかも前日は雨、さらに頂上でのご来光待ちと朝イチで登ってくる登山者のちょうど間隙である時間帯だったので、特別に混んでいるとも思わなかった。

登山グループがいくつも歩いていたのは、さすがメジャールート。年配のグループも多く、指導者のあとを実にゆっくりと、小幅な足取りで、しかし休むことなく登る姿に感心した。けっきょく我々の家族グループは、休み休み登るので、山小屋の大休憩で年配のグループに追いつかれたりした。

10:40 八合五勺着201307XZ-181tue2

七合目から上は山小屋が頻繁にあり良い目標となる。疲れているだけに目標が見えているというのは気分的に楽である。吉田ルートは最初からずっとこんな感じなのだろう。富士宮ルートや御殿場ルートでは考えられない気安さである。

さて、そうは言っても、標高が上がるほど勾配が急になる富士山では、ここ八合五勺が登山道では最後の山小屋である。ただ水も食料もあるので、焼き印・トイレだけ済ませて出発。

10:50 八合五勺出発

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錆鉄色のザレ場をひたすら登る。

11:20 九合目到着

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九合目は鳥居と山小屋跡だけ。

鳥居には小銭が無数に差し込まれており、若干気持ち悪い。

12:05 須走・吉田ルート山頂 到着

特に高山病の症状も、たいした疲れも感じないまま登頂に成功。家族全員で登れたことが今年の成果である。旅行前の予定表では山頂12:00の予定だったので、ほぼ予定通りと言うことになる。

最後の一段は家族全員で足を揃えて「せーのーで」で上った。

 

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12:20 須走5合出発201307XZ-009

この日は天気が悪く、小雨が降っていたので、レインウェアを着込んでの出発である。富士山保全協力金の試行が始まっていたが、悪天のため「本日中止」とのこと。一人1000円としたら4000円。シャトルバス代といい、覚悟していた出費が抑えられてラッキーである。その分、上の山小屋でお金を落とすことにしようと思う。

ちなみにこの協力金との引き替えにバッジがもらえるのだが、それがヤフオクで高騰、20000円越えで落札されていた。サクラ入札かも知れないが、もしかして機会損失したのか???201307XZ-012

登山道に入ってすぐに古御岳神社(こみたけじんじゃ)。全員の無事と登頂をお祈りする。

 

201307XZ-026登りはじめは樹林の中。

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溶岩流の跡は高い木が少なく、風を強く感じる。

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14:35 新6合目「長田山荘」到着tue8

コースタイムは1時間、ガイドブックの標準タイムが2時間だから、小雨と風の中をほぼ標準タイム通りに歩いたことになる。

強い日差しや強烈な登りではないことが幸いしたのかも知れない。

ここで大休憩。山小屋に入りしるこやおでんなどを注文する。この山小屋には乾燥室があり、ぬれたレインウェアや手袋などを乾かすことができたのは嬉しかった。

201307XZ-042201307XZ-041b大粒の雨と日差し、このあと天気は快方に向かう。

 

 

 

15:30 新6合目出発

だんだんと背の高い木が少なくなってきた。そのせいか、天候の変化か、風が強く感じられるようになった。

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16:20 本6合目「瀬戸館」到着tue7

201307XZ-068この区間もほぼ標準タイム通り。コースタイムで言うと約2倍。

後で聞くと相棒さんは「しんどかった。けど目標がすぐだったから登れた」とのこと。

 

 

さて、今回の宿泊先:瀬戸館は、不人気・須走ルートの、さらに需要の少ない低位置(2680m)にある山小屋である。5月に予約を入れ、7月初旬に日程変更をした際、変更元の日付を言っただけで「あぁ○○さん」と特定されたので、その時点でうち以外は予約がなかったのだろう。1年前から予約を入れないといけないと言われる吉田ルートとは雲泥の差である。そしてこの日、実際に宿泊したのも、うちの家族4人と雑誌の取材グループ3人だけだった。ものすごい穴場だ。

瀬戸館は201307XZ-076

・二食付き7500円・週末は+1000円(標準的)

・宿泊者のトイレ・焼き印無料

・夕食のカレーやごはん・ミネラルウォーターなど無料

・この日は夕食・朝食の際、手作りのナスの煮物などを振る舞ってくれた。

・寝床は蚕棚風で一人部屋があるのが特徴

201307XZ-072この日は空いているとのことで、上下の4人部屋を割り当てられ、一人で2人分を使う贅沢使用となった。手足を伸ばしたり寝返りを打ったりしても平気である。

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天気は徐々に良くなってきて、青空も覗くようになってきた。が昨年のような影富士が見えるわけでもなかったので、早々に寝ることにした。夜中、外にあるトイレに出たが、夜間登山で登ってくる若者のグループが小屋前で休憩をしていた。一緒になって星を眺めていたら流れ星が見えた。「おっ」と思わず声を出したら、若者の一人も気づいたのか「今流れましたよね」と同意を求めてきた。こういう地味な出会いというのも乙なものである。

一日目終了

さて、今回の富士登山のルートは須走ルートである。

前回の高山病体験を経て、今回は低い山小屋で一泊・翌日登頂というプランを考えた。

ルートとしては激混み・吉田ルートは避けたかった。

今となっては世界遺産登録の影響で登山客が殺到らしく論外である。

御殿場ルートは低い位置に山小屋がないし、そもそも家族で利用するルートではない。

富士宮ルートは練習登山も含め、2度体験している…。

消去法的に須走ルートルートが浮上した。また子どもたちが砂走りをもう一度体験したいと言っていたのも須走ルートに決定する要因となった。

ということで須走ルート本6合目の「瀬戸館」に五月中旬に予約を入れた。

ちなみに須走ルートの特徴は、

・6合目あたりまでは樹林地帯を歩く唯一のルートである

・スタート地点(5合目)が標高1980mと低く、距離も長いため人気がなく(利用者14%)、空いている。

・下りは砂走りの区間がある。

・本8合目で吉田ルートに合流するので、時間帯によっては渋滞する。

今回は標高の低い本6合目(2630m)で宿泊するので、寝ている間の高山病を避けることにした。またご来光も山小屋で見てから出発することで、吉田ルート合流後の渋滞を避けることにした。

ルート1

さて、御殿場ICに9時前に到着、須走ルートのシャトルバス乗り場を目指したが、5合目に向かう「ふじあざみライン」に直接入れてしまった。「ふじあざみライン」の規制は昨年よりも緩くなっていたのだが、調査不足であった。言い訳をするようだが、旅行前日まで39.3度の発熱を伴う風邪を引いていて、前日まで旅行を中止するか悩んでいた状態だったのだ。まぁそれまでに調べられなかったわけではないので本当に言い訳なのだが。10時に5合目の無料駐車場にも無事駐車できた。ちなみに宝塚からの距離は440km。

車で5合目まで入ることができたのは、荷物や時間短縮のこと・シャトルバス代201307XZ-003のことを考えると本当に嬉しい誤算であった。

駐車場から5合目のお土産や通りに向かう途中ではシカのお出迎えがあった。

お土産屋で昼食・金剛杖を買う。

5合目の焼き印には早速「世界文化遺産」の文字がある。

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富士登山1 行程

| 家族, 旅行 |

富士山一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿

というらしい。一度登れば十分な山ということだろうか。

 

昨年は家族で8合目まで登った。その後、高山病の家族を残して私一人登頂した。

家族旅行としては十分かと思っていたが、上娘はどうも悔しかったらしく、もう一度行きたいという。

ということで、今年はリベンジの富士登山である。

7/29(月) 早朝出発。毎度の新名神+第2東名で御殿場ICへ。須走ルートで登山開始。本6合目・瀬戸館泊。

7/30(火)家族全員で登頂、さらにお鉢巡りもして、下山。御殿場のビジネスホテル泊。

7/31(水)富士「樹空の森」見学、帰路につく。

 

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出発前の大まかな行程表である。まぁこの通りに行ったかどうか,このあとをごらんあれ。

登山の予定を組むとき、パンフレットにあるコースタイムより、雑誌に載っている標準タイムの方が現実的である。うちはさらに標準タイムの1.5倍以上の時間を取っている(ただし山小屋での休憩も含んでだが)。標準タイムよりさらに多めに取っているわけだ。

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そして持ち物チェックリストである。実はたいへんなものがチェックされていないのだが…。おわかりになるだろうか。

OH!WOO!!創刊壱万日事業の一環として、万善に行ってきた。万善とは職場のある猪名川町の地名である。毎日職場の往復で通っている場所であり、校区でもある場所だ。道の駅があり、猪名川町随一の観光地・屏風岩もある。

珍しく何も予定のない休日、気温も上がりお出かけ日和だったこと、以前から屏風岩については調べてみたかったこと、相棒さんが万善にある喫茶店の噂を聞いて行ってみたいと言っていたことなど、条件が揃ったので、急遽昼から出かけることにした。

宝塚の自宅から30分ほどで到着。ちなみに交差点名は万善だが、バス停名は「川床口」である。「万善」バス停は600mほど北にあるので、お出かけの際は要注意だ。ちなみにその「万善」バス停前の鶏屋さんが夏の恒例・ビール宴会の時に買ってくる地鶏焼き鳥の店である。

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201305G2-010普段の通勤時には開いていない道の駅だが、さすがに好天の日曜日、駐車場も車がひしめき、賑わっている。花衣ブランドの地酒やイノシシ肉入りはるさめなどの特産物を眺めた後、ジェラードを買って食べる。ここのジェラードは3年前に娘2人を連れてきたとき好評だったものだ。今回もダブル380円を2つ頼んだが結構な大盛りである。しかもおまけで違うフレーバーのものもひとさじ付けてくれる。店の横にあるベンチに腰掛けて食べる。雲一つ無い青空・畑のにおいがしてツバメが行き交う。なんとも悠長な時間である。

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右は猪名川町のマスコットキャラクター・いなぼうだ。

2012年ゆるキャラグランプリでは308位という微妙なポジション。

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道の駅には「そばの館」もあり、ここでは十割そばが味わえる他、そば打ち体験もできる。

さて、本日の第二目的地は、道の駅から「万善」交差点を渡った先にある「Cafe Manna」。

ちなみに猪名川町役場の近くには「まんか旅館」というおそばが有名な旅館もある。「万善」、「manna」、「まんか」と猪名川町は「まん」づくしである。

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ここのカプチーノは

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こんな風に細工が施されて出てくるのがウリらしい。

まぁ砂糖も入れずに飲んでいくと形も崩れず…

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最後に家族を置いて1人屏風岩へ出かける。

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凝灰岩質泥岩の岩山が、猪名川の侵食に耐えて屹立している。201305G2-038

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登り口があったので登ってみた。木々が生い茂り、川面はほとんど見えないが、川遊びをしていた人たちの声が近づき、しばらくすると真下に聞こえるようになったので、ほぼ川に沿って登ったのだろうと思う。途中に赤い鳥居の並ぶ祠があった。お稲荷さんだろうか。

さらに登ると屏風岩の裏手に建つ今井病院の敷地に出る。ここからも川に近づく野道を行ったのだが、途中から藪となり、おそらく崖上になるはずなので、引き返した。

約1時間の散歩であった。

万善滞在時間、やく2時間。1万秒(2時間46分40秒)だと良かったのだが。

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