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塩について学びに赤穂市立海洋科学館〔http://www.ako-kaiyo.jp/〕に行ってきた。

入館料200円、これに塩づくり体験も含まれている。塩づくりと言っても、流下式塩田で採取した鹹水(かん水:塩分濃度の高い水)を煮つめるのみであるが、これだけでもそこそこ楽しめるし、作った塩やこの施設で作った自然塩のお土産がつく。

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塩づくり体験棟と
海洋科学館
高速でかき混ぜています お土産塩(粗塩)と
作った塩

さて、以下は塩についてのお話である。時間があればおつきあいくだされ。

 

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一昨年あたりから家飲みのビールを控え、ハイボールに移行してきた。

その際に炭酸水が必要になり、買い物ごとに2~3本の炭酸水ボトル(1リットル)を購入してきた。価格としては業務スーパーで60円足らずで買えるので負担ではないのだが、とにかく重い。そして大量のペットボトルゴミが生じる。

そこで3月に炭酸水メーカーを購入してみた。毎回炭酸のカートリッジを消費するので、採算性としてはギリギリ、若干高めと言ったところだが、プラゴミが出ないとか買い物が楽になるという利便性とのトレードオフである。

さて購入したのは「ツイスパソーダ」という商品で、まぁ安物である。どんなに頑張っても炭酸の強度は弱く、作りたてでも微炭酸、ちょっと置いとくと、これは炭酸なのか?というレベルにまで下がる。

夏場になって、この現象が顕著になってきた。

image表は二酸化炭素の溶解度である。炭酸をつくる元である二酸化炭素は気体であり、一般に気体の溶解度は、水温が上がるほど下がっていく。つまり溶けにくくなるのである。そりゃ炭酸が弱くなるというものだ。

そこで最近は炭酸水を作るさい、氷水を使うようにしている。今までより若干だが、ピリッとした炭酸水ができるようになった。塞翁が馬である。

ちなみに二酸化炭素はドライアイスとしても我々の生活にかかわりが深い物質である。

勤務先猪名川町は国史跡指定の多田銀銅山で有名である。

今回「金属を熔かしてみよう」という体験学習会があったので参加した。

大阪文化財研究所の伊藤幸司先生が中心に、銅の精錬・鋳造の歴史、鋳造の実際の手順を見せてもらった。P5120129

江戸時代に住友が大坂長堀で精錬・鋳造していた銅は、表面にできる酸化物の亜酸化銅が見事な赤色であることがステータスであったらしい。

今回の実験では、沸騰した塩水に熔けた銅を流し込むという操作でそれを再現していただいた。

銅を溶かすということ自体が1100度以上に熱する必要があり、古代にそれを実現した「るつぼ」の構造を解明する研究の話など、実に興味深く、学問の楽しさに触れることができたように思う。

鼓銅図録より
「棹吹の図」

銅の鋳造のようす

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お土産に買ってきたシュークリームの原材料に「アンモニア」の記載があった。

あとになって食べていた上娘もこのことに気づき、質問されたので、ネットで調べてみた。

~ すぐに解決、本当に便利な世の中だ ~

どうやら膨張剤に使われているらしい。

「でも、他に膨張剤もかいてあるから、何でかな、と思って。」

なかなか鋭い上娘。わたしも膨張剤以外の役割を疑っていた…

どうやら一般に膨張剤として使われる重曹は「縦方向」に膨らみやすいのに対して

「アンモニア」は「横方向」に膨らみやすいらしい。

 

で、原料としては「アンモニア」ではなく正しくは「炭酸水素アンモニウム」。

これが分解して二酸化炭素や水蒸気がでて(膨張剤としてはたらき)、アンモニアが残るので、「アンモニア」と書かれているようだ。

そういえば重曹も「炭酸水素ナトリウム」、似たもの同士であるが、膨らます方向に違いが出るということか。ちなみに重曹を分解すると、二酸化炭素と水蒸気以外に「炭酸ナトリウム」という水にとけるとアルカリ性の物質ができます。多すぎると苦くなるので、普通はクエン酸などを加え、中和しています。

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演示実験に使うてんびんが学校に無いので作ってみた。数学の先生が「等式の性質」を説明するためにてんびんを自作していたので、正直負けてはおれんという気持ちもあった。

教科を越えてこういう話ができるのも,お互いどんな授業をしているのかわかるのも、小さい学校のメリットだなぁと思う。まぁその前に人間関係が良くないといかんわけで、そこは常に腐心しているところである。

 

さて、金曜の夜、閉店間際のホームセンターに滑り込み、まず皿を探す。これはバーベキュー用のアルミ皿、と見当をつけていたので、すぐに見つかる。

次にてんびんの主体をどうするか、最初はプラスチックか木の棒を考えていたのだが、皿を支える針金を探しているうちに、ねじの切ってあるステンレス棒を発見、ナットで挟めばおもりをつるす位置を自由に変えられ、かつ固定できるてんびんになると思いつき、完成への構想ができあがった。

アルミ皿2枚あたり50円、針金100円、ねじ棒100円、ナット60円、金具60円

合計370円也。安い。作成も下娘に手伝ってもらい、10分程度。これで効果的な授業ができる。

 

さっそく来週の化学変化にかかわる質量変化の導入に使用予定。

具体的には、紙やろうそくを燃やすと軽くなるのに、鉄を燃やすと重くなるという現象を演示実験する。生活体験的にはモノが燃えると軽くなるというのが当たり前、しかしそれは気体の酸化物が生じるために質量の計測できなくなっているだけで、実際には酸素と結合した分だけ重くなっている。紙やろうそくの後に鉄(スチールウール)を燃やし重くなるという演示実験はそれを目の当たりにしてくれる。

概念を獲得してしまえば当たり前のことだと思うが、原子の質量の概念と、化学変化で原子の組み合わせに変化が生じること、気体が生じる場合には質量計算に入ってこなくなることなど、けっこうな知識の組み合わせが必要だ。そして生活体験で獲得している概念というのは、特別なルール下での現象だったりする。だから鉄が燃えると重くなるというコトの方が「意外」な事実として驚きを与え(これを概念砕きと言う)、知的好奇心を湧き起こさせるのだ。

あれ?おかしいな?という表情、その後に行う生徒実験で確かに重くなるという事実、そして獲得した知識と今までの生活概念とのすりあわせなどができるようになる。その変容の過程を、空気感というか、なんとなくテレパシーのように感じる。思い込みにすぎないかもしれないが、そこが楽しくて理科の実験っていいなぁと思う。理科の教員としての醍醐味である。

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[ろうそく]の場合…燃えていくと軽くなっていく。

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[スチールウール]の場合…燃やすと重くなる。

電車内でアルミ缶が爆発!って事件を報道していた。

地下鉄サリン事件を彷彿とさせるニュースだが、人為ミスの事故らしい。

なんでもアルカリ性の強力洗剤をアルミ缶に密封して持ち帰る途中だったとか。

アルミは両性金属なのでアルカリにも反応します。そして水素が発生します。

水素が貯まれば反応で薄くなったアルミを突き破るくらいはしますわな。

アルミ缶でなければ‥、密封していなければ‥、起こらなかった事件ですが、けっこうキワドいところで事故になったり、免れたりということは他にもありそうですね。

 

 

ちょっと関連して‥‥本日主張したいことはこちら‥‥

日頃から、洗濯用の液体洗剤の詰め換え容器にはたいへん感心しています。

容器の先がとがっていて、そこを手で切ると、ちょうどボトルの口とマッチする形状、詰め替えが実にスムーズです。

中身が見えるのでほぼ最後まで移し終えたことがわかり、ちょっとした充実感が味わえます。ゴミも最小限ですからエコ感も味わえます。

量も絶妙です。ボトルの中身が無くなる前(ちょっと残っている状態)でも継ぎ足しできるように、ボトルの1割減の量しか入っていないのです。よく考えられていますね。

逆に、何とかならんのか!と思うようなものもあります。

食洗機用の粉末洗剤の容器。詰め換えても湿気が入り込み、なんかダマのようになってしまいます。使用に問題はないのでしょうが、なんかいやですね。

詰め換え容器ではないですが‥

「こちら側のどこからでも開けることができます」と表記しながら、どこからも開けることができない使い切りソースや醤油の袋、

切り込みに沿って開けると、途中までしか開かずに、そのまま注ぐと切れ端に中身が着いてしまい、何とも言えない残念感が漂う餃子のたれ、

袋の内側にこびりついてしまい、どうやっても最後まで出せない紅ショウガの袋、同じくジャムの容器。

話が逸れていきますが‥

どんなに小さいものでも定形の箱で配送されるamazon‥‥

 

うーん、何とかなりませんかね。

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給食で余ったミカンに、銅板とアルミ板を差し込みます。

電圧が生じます。→電池になります。

まぁシャレでオレンジデンチということで‥‥。

 

という演示をした後で生徒実験です。

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こちらは「11n円電池」

10円玉(ほぼ銅)と1円玉(アルミ)のあいだに

食塩水を染みこませたキッチンペーパーを挟みます。

これも電池になります。

今日の実験は吸熱反応。

教科書の 水酸化バリウム+塩化アンモニウム→アンモニア+塩化バリウム水 は演示で。

ぬらしたろ紙でふたをするという部分は、確かに1年での気体の性質の復習になって良いのだが、本来のテーマである吸熱という部分では(演示で行うと)弱い。かといってアンモニア大量発生も好ましくないし。

 

そこで今回は生徒実験で、

クエン酸+炭酸水素ナトリウム+水 という実験を行った。

 

プラのコップに二種類の薬品を入れ、水を加えてかき混ぜるだけ。

マイナス3℃くらいまで下がった班もあった。水の量を調節すると凍ってシャーベット状になる。

プラコップは中が見えるし触って温度を確かめることもできる、これは効果あり。

 

たぶんクエン酸の部分はレモン汁でもできるはず。

家庭なら実験後に砂糖を加えてレモネードのできあがり。

昨日の2年生の実験

鉄が酸化する際の発熱反応について実験してみた。

鉄を速く酸化させるための食塩水、それを保持するための活性炭を、プリンカップでまぜる。

プリンカップは使い捨てできるので給食時にキープしておくと良い。

温度計はデジタル温度計を使ったが、この実験なら充分温度が上がるので、通常の温度計の方が良かったと思う(値の読みも大事なスキルだし)。

ガラス棒を使って混ぜるように指示するとやり過ぎてあっという間に70度近くまで上がってしまう班もあった。多くの班でゆげがでていた。

子どもたちにもなじみの深いインスタントカイロの説明も行ったが、時間の都合で今回の実験との違いを考えさせるまではやっていない。いかに適温を長時間維持するか、次回考えさせたいと思う。

 

事前にどんなグラフになるか予想させてみた。

単に定比例となる、みたいな意見が多いと思っていたのだが、上がり続けるわけがないという大人の常識的な発言もあり、良かった。実際はやってみようということで、上記の混ぜ方の違いからいろいろなグラフになったと思う。

 

生石灰に水を入れる反応も、やっておこうか‥。

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