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見つけられるかな?

月の月齢は正午で1.7、撮影時刻で約1.9なので、ほぼ三日月(暦でも三日月)。

金星は12月末までの間は、夕方西の空に見える(宵の明星)。いま太陽より先にあるが、徐々に地球に近づいてきて、太陽と地球の間に入ってくる。地球に近づくほど見かけの大きさは大きくなるが、太陽にも近づくため影の部分の割合が大きくなる。つまり金星の見た目の明るさは大きくは変わらない。それでも12月4日が、ほどほどに近く、ほどほどに輝く部分の割合も多くて、もっとも明るく見えるようだ。

ちなみにこの日、火星は合といって、太陽の向こう側にある状態。火星と地球がもっとも離れた位置と言える。写真でいうと三日月の右下に隠れている太陽のその先に火星があるということだ。地球からの距離は約3億8000万キロである。

昼からの休暇を利用して職場のある猪名川町の最高峰・大野山へ行ってきた。

大野山アルプスランドの名称があるこの地域は標高753mとこの地区の最高峰。デイ専用のキャンプ場や猪名川天文台があり、山中に巨石が散在するエリアもある。

猪名川展望台

大野山アルプスランドは何度も訪れたことがあるのだが、猪名川展望台は開館時間が限られている関係で、今回初めて中に入ることができた。ちなみに猪名川展望台の開館時間は、木~日曜日の13時30分~21時30分(現在は20時に時短中)である。

中は一階にプラネタリウム室があり、階段を上がると天体望遠鏡のある観察室がある。

プラネタリウム室は、中央に小さな機械が設置された半径3m程度の円形の小部屋に、いくつかマットが敷かれており、そこに寝転んでドーム状となっている天井を見る形となる。

今回お客は私一人だった。上映となると職員さんが遮光のため周りのカーテンを閉め、部屋の外へでて「じゃあ始めますね~」の声で始まった。ちょっとレントゲン撮影のようなムードである。

薄暗くなった部屋のドーム状の天井に星が映し出される。内容は一般的な、当日の夕方から翌朝までに見られる惑星や星座の解説であった。映されている星も3等星くらいまでであろうか、都市部で目視できる星に割と近いためであろうか、大きなプラネタリウムで感じる異世界感は感じなかった。

プラネタリウムを鑑賞している間にもう一人の職員さんが望遠鏡の調整をしてくれていたようで、鑑賞後、階段を上ってすぐに星の観察ができた。

この日は、天候不順の夏にしては珍しく快晴だったので、雲に邪魔されずに観察ができた。見せていただいたのは、金星・水星、うしかい座のアークトゥールス、そして太陽である。太陽はHαフィルターを通した赤い映像である。いま太陽活動は減退期に入った状態らしく、プロミネンスも活発では無いのだが、何とかヒゲ程度には吹き出している様子を観察することができた。貸し切り状態だったからスマホで写真を撮っておけば良かったなぁ…。

観察できたプロミネンスは、
こんな見事なわけはなく、
ヒゲが生えた程度の高さだった
(上のイラスト矢印先)
猪名川展望台
2020年秋にドローンで撮影
(観光振興課許可済み)

巨石めぐり

大野山を含む周辺のかなり広い範囲は、佐曽利カルデラの跡地形と言われている。しかし現在の地形からは確かめようが無い。確かめようが無いのにカルデラが存在していたとされる理由は、周辺から、熱水鉱床や溶結凝灰岩など、大規模な火山噴火があったことが推察される地質が見られるからである。多田銀銅山もそのひとつである。佐曽利カルデラができた時代は白亜紀。恐竜が大陸を跋扈し日本列島はまだ形になっておらず、その元が大陸の縁にあったと言われるころである。

ここ大野山も、そうしてできたカルデラが断層などで断ち切られて突出した部分では無いかとのこと。そしてサブタイトルである巨石であるが、これは溶結凝灰岩といわれ、滞積した火山灰がその重みと熱によって再度溶け、固まったものとされている。その際、節理という決まった方向に割れやすい性質を伴うため、風化によって今の時代に巨石程度まで細かくなってきた、という推察である。

10年ほど前に理科の先生方と訪れて以来、久々の巨石との再会を果たした。

岩石群の成因を説明する看板

岩めぐりコース
カメレオン岩
太鼓岩
太鼓岩(ドローンから)
太鼓岩(動画:59秒)

久々に三日月の撮影(左が昨夜で月齢2、右が今夜で月齢3)

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三日月というのは、新月を1日目として3日目の月という意味。そういう意味では左の写真が正しい三日月ということになる。

輝いているのは太陽の光を反射しているからだが、それ以外の部分もうっすらと形が見える程度に見ることができる。これは地球照といって、地球に当たった光が反射して月を照らし、それがまた反射して見えるものだ。日本よりも西にある昼間の地域(角度的に東欧あたりか)に当たった光が、38万キロ離れた月との間を往復して、今見えているということだ。

夕方、西の空に明るく見える星が2つ。惑星の木星と土星である。

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2020.12.20撮影

この2つの星が日に日に近づいていき、21日には視野角0.1度まで接近した。

久々に望遠鏡を取り出し、アダプターを付けてカメラで撮影してみた。

天体撮影の場合、露出(絞りやシャッター速度)はマニュアル、ピント合わせは望遠鏡側で行う。

ピント合わせやシャッターを押すだけで望遠鏡が揺れるので、10秒のセルフタイマーを用いて撮影した。

天体望遠鏡で撮影…というと、imageこんな感じを想像すると思うが、

素人が買える望遠鏡では、下の写真程度である。

☆P5200357 telescope2080 ☆P5200345
何とか土星の形が見える?   ガリレオ衛星を写すと木星は露出オーバーとなる

 

撮影をしているうちに、西の稜線へ没していったので、上弦の月も撮影。

月P5200364

こちらは惑星と違って、大きく明るいので撮影は楽である。

ちなみに月の直径は地球の1/4、木星は地球の10倍で、40倍の差があるのだが、距離が圧倒的に違うため、見た目の大きさはご覧の通りである。

上弦の月は、横から光の当たるのでクレーターの凹凸が分かりやすい。

大阪平野から西を見ると、六甲山が見える。その六甲山の手前に「兜を伏せたような」小山を見ることができる。この特徴的な山が甲山である。火山のように見えるが…

この山は、この場所で噴火によってできた火山ではなく、「地下深くで」花崗岩の中を貫入してきた溶岩(安山岩質マグマ)が冷え固まったものである。この貫入岩塊が、六甲山ができる原因となった六甲変動という隆起の中で周囲の花崗岩とともに高さを増していった。そして隆起の過程で、風化しやすい周囲の花崗岩が崩れ去り、取りのぞかれて行く中で、硬さを保ち残ったものなのである。

例えるなら、地下深くで眠っていたのに、持ち上げられ、布団を剥がされたという感じだ。

201404G2-021b 神戸の自然シリーズ
「六甲山はどうしてできたか」よりimage

宝塚市雲雀丘山手から撮影

甲山周辺の地質断面図

 

山頂まで上ってみると、頂上部は広場のように広く平らである。太古の昔に、我々の窺い知ることのできない深い地下で、今の山頂部に当たる地点で溶岩の貫入が止まったかと思うと、なんとも不思議な感じがする。

DSC_5158子どもたちが小さい頃

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山頂部にて 2006.04

南にある北山ダム側から撮影 2020.04

春の陽気に誘われて出かけたいが、新型コロナ騒動のため人混みはNGなので、ドライブしてきた。

行き先は逆瀬川山手にある「ゆずり葉緑地」。

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動画2:07  YouTube

この地は、明治時代から砂防工事を行ったことから、「兵庫県の砂防発祥の地」とされている。

なぜこの地で古くから砂防工事を行ったかというと…、

六甲山から大量の土砂が、逆瀬川を下って武庫川に流れ込むことで、合流地点の河床を上げる原因となっていた。そして大雨が降ると、行き場を失った大量の水が川を逆流し、周辺で氾濫するという災害が多発した(逆瀬川という名称もこれが由来という説もある)。それを治めるため、土砂が流入しないように山手に砂防堰堤(ダム)を造ったり、広い河原の中に直線上の流水路を作ったりした。こういった砂防工事を通して、洪水を防いできたということだ。ゆずり葉緑地もこうして計画的に作られた流水路脇の緑地である。

ちなみに現在の逆瀬川はこのとき作った流水路そのものであり、当時の河原(幅200mあったとされる)は、現在は川の両岸の高級住宅街となっている。

今回の動画はドライブレコーダーとドローンの映像を合わせてみた。

強い西風の吹く好天の一日。5分が1秒となる300倍速でのタイムラプス撮影をしてみた。午前中は筋状の雲がどんどん生まれて消えて流れていき、午後過ぎからは快晴、穏やかな夕暮れまで。

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https://youtu.be/ECL2V2oGRNw

高曇りの暖かい春の日、夕方から急に雲行きが怪しくなってきた。

にわか雨がさっと降って、その後に虹が発生。副虹も見える。

またこうやってタイムラプスで撮影してみると、虹の位置がだんだんと南(画面右)へずれていっていることがわかる。これは虹の光源である太陽が、(画面外で)右側から後ろ側へ回り込んでいくためだ。

スクリーン代わりのうすい雨膜を雲が飲み込み、その雲が残照で茜色に染まる。

撮影は基本放置なので、後になって美しい一瞬の光景があったのだと知らされた。

ちなみに最後の日暮れのシーンで画面にチラチラ映っている黒いものはコウモリである。

2代目ドローン用に購入していたアクションカメラfirefly8S、ドローン代替わりによって本来的な目的で使用中。

この冬はタイムラプス撮影に挑戦。雲や太陽の動きを撮影してみた。

以下の映像はほとんどが150倍速である(5秒に1枚のペースで撮影した画像を30枚で1秒の映像にしている)。

この秋一番の冷え込みということで、初霜を観察。

また大阪市内での逆転層現象を観測した。

逆転層とは、地表より上空の方が温度が高くなる現象で、今回の原因は、放射冷却によって地表付近が冷やされ、上空の方が気温が高くなったと思われる。その結果、空気の対流が起こらず、地表付近で冷やされた水蒸気が霧となったと思われる。

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初霜と日の出 大阪市内が霧でおおわれている。
手前の煙突の煙も低くたなびいている。

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