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(ほぼ皆既だった)部分月食から2週間。あと少しで新月である。

明け方、東の空には、細い月(29日目の月)が見られた。

 

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月の下に見えているのが火星。

この2時間半後に、公転してくる月に火星が隠される火星食という現象が見られるが、日中のため肉眼による観測は不可。

ちなみに明日(2021年12月4日)は、金星はもっとも明るく見える最大光度、月は新月、そして太陽は新月に隠される皆既日食(ただし南極の一部地域のみで観察可)と天体バラエティの1日である。

この日は98%が欠ける部分月食があった。もうほとんど皆既月食と言ってよい食分の月食である。

関西では月が欠けた状態で昇ってくる月出帯食(げっしょくたいしゅつ)で、欠け始めは見えない。最大食分は月の出から30分後くらいの午後6時過ぎである。

今回の月食は観察の好条件が重なっている。まず時刻が多くの人が活動している時間帯である。また月の出直後なので月の高度が低く、視線が水平に近いため観察が楽である。さらに真冬に比べると多少は気温もマシである。最後に天気も高気圧におおわれ快晴の予報である。

一方でデメリットもあり、先に書いたように月食帯食なので、月食のすべては観測できない。また高度が低いため空が開けた場所をあらかじめ探しておかねばならない。TVのニュースなどで「東の空が開けた場所…」というアナウンスが目についたが、正確には、「北寄りの東の空」であり、ちょっとした角度の違いで建物の影になったりする可能性があり前日のロケハンなどが必要である。最後に月の出の午後5時半くらいから観測を始めようとすると、宮仕えの勤め人にはツラい。

さて当日、急いで帰宅。すでに北東の空の低い位置に赤い月が現れている。いったん家に戻り、あらかじめ用意していた望遠レンズをつけたデジカメとタイムラプス用のデジカメの2台を持ち出し、駐車場の端で撮影に挑む。望遠レンズは、アナログ時代の200mmレンズ+1.4倍テレコン+マイクロフォーサーズ用アダプタで、560mm相当である。ピントは手動となるが、拡大画面を見ながらピント合わせができるのでよし。またISOとマニュアル露出により赤銅色の月の様子を捉え、10秒のセルフタイマーで手ぶれをわずかに抑え、下写真のようなまぁまぁの画像を得ることができた。ちまたでは「iPhoneの限界」がトレンドワードに入っていたらしい。これはスマホで撮れる写真ではないわな。逆に天体望遠鏡に直づけした画像よりは見劣りがするが、むちゃくちゃ重い望遠鏡(と三脚)を駐車場に据えるわけにはいかないので、まぁ今回は始めから諦めていた。

ISO3200 F4(開放)1/4秒 画像は一部切り出し・アンシャープマスク

ちなみに地球の影に入って見えないはずの月の表面が見えるのは、地球の端を通過した太陽光線が屈折して月を照らすためだ。赤銅色なのは、この通過時に波長の短い青色系は散乱してしまい、波長の短い赤色系だけが残るため。

DMC-GX7 タイムラプス(1分1枚、15fpsなので90倍速) 実際より明るく写っている。

6時を過ぎると、地球の影から月が姿を現しはじめる。月の表面に落ちる黒い弧の部分を延長して一周させると、地球の大きさが想像できる。

P2310051b

見つけられるかな?

月の月齢は正午で1.7、撮影時刻で約1.9なので、ほぼ三日月(暦でも三日月)。

金星は12月末までの間は、夕方西の空に見える(宵の明星)。いま太陽より先にあるが、徐々に地球に近づいてきて、太陽と地球の間に入ってくる。地球に近づくほど見かけの大きさは大きくなるが、太陽にも近づくため影の部分の割合が大きくなる。つまり金星の見た目の明るさは大きくは変わらない。それでも12月4日が、ほどほどに近く、ほどほどに輝く部分の割合も多くて、もっとも明るく見えるようだ。

ちなみにこの日、火星は合といって、太陽の向こう側にある状態。火星と地球がもっとも離れた位置と言える。写真でいうと三日月の右下に隠れている太陽のその先に火星があるということだ。地球からの距離は約3億8000万キロである。

昼からの休暇を利用して職場のある猪名川町の最高峰・大野山へ行ってきた。

大野山アルプスランドの名称があるこの地域は標高753mとこの地区の最高峰。デイ専用のキャンプ場や猪名川天文台があり、山中に巨石が散在するエリアもある。

猪名川展望台

大野山アルプスランドは何度も訪れたことがあるのだが、猪名川展望台は開館時間が限られている関係で、今回初めて中に入ることができた。ちなみに猪名川展望台の開館時間は、木~日曜日の13時30分~21時30分(現在は20時に時短中)である。

中は一階にプラネタリウム室があり、階段を上がると天体望遠鏡のある観察室がある。

プラネタリウム室は、中央に小さな機械が設置された半径3m程度の円形の小部屋に、いくつかマットが敷かれており、そこに寝転んでドーム状となっている天井を見る形となる。

今回お客は私一人だった。上映となると職員さんが遮光のため周りのカーテンを閉め、部屋の外へでて「じゃあ始めますね~」の声で始まった。ちょっとレントゲン撮影のようなムードである。

薄暗くなった部屋のドーム状の天井に星が映し出される。内容は一般的な、当日の夕方から翌朝までに見られる惑星や星座の解説であった。映されている星も3等星くらいまでであろうか、都市部で目視できる星に割と近いためであろうか、大きなプラネタリウムで感じる異世界感は感じなかった。

プラネタリウムを鑑賞している間にもう一人の職員さんが望遠鏡の調整をしてくれていたようで、鑑賞後、階段を上ってすぐに星の観察ができた。

この日は、天候不順の夏にしては珍しく快晴だったので、雲に邪魔されずに観察ができた。見せていただいたのは、金星・水星、うしかい座のアークトゥールス、そして太陽である。太陽はHαフィルターを通した赤い映像である。いま太陽活動は減退期に入った状態らしく、プロミネンスも活発では無いのだが、何とかヒゲ程度には吹き出している様子を観察することができた。貸し切り状態だったからスマホで写真を撮っておけば良かったなぁ…。

観察できたプロミネンスは、
こんな見事なわけはなく、
ヒゲが生えた程度の高さだった
(上のイラスト矢印先)
猪名川展望台
2020年秋にドローンで撮影
(観光振興課許可済み)

巨石めぐり

大野山を含む周辺のかなり広い範囲は、佐曽利カルデラの跡地形と言われている。しかし現在の地形からは確かめようが無い。確かめようが無いのにカルデラが存在していたとされる理由は、周辺から、熱水鉱床や溶結凝灰岩など、大規模な火山噴火があったことが推察される地質が見られるからである。多田銀銅山もそのひとつである。佐曽利カルデラができた時代は白亜紀。恐竜が大陸を跋扈し日本列島はまだ形になっておらず、その元が大陸の縁にあったと言われるころである。

ここ大野山も、そうしてできたカルデラが断層などで断ち切られて突出した部分では無いかとのこと。そしてサブタイトルである巨石であるが、これは溶結凝灰岩といわれ、滞積した火山灰がその重みと熱によって再度溶け、固まったものとされている。その際、節理という決まった方向に割れやすい性質を伴うため、風化によって今の時代に巨石程度まで細かくなってきた、という推察である。

10年ほど前に理科の先生方と訪れて以来、久々の巨石との再会を果たした。

岩石群の成因を説明する看板

岩めぐりコース
カメレオン岩
太鼓岩
太鼓岩(ドローンから)
太鼓岩(動画:59秒)

久々に三日月の撮影(左が昨夜で月齢2、右が今夜で月齢3)

P5200370 P5200376

三日月というのは、新月を1日目として3日目の月という意味。そういう意味では左の写真が正しい三日月ということになる。

輝いているのは太陽の光を反射しているからだが、それ以外の部分もうっすらと形が見える程度に見ることができる。これは地球照といって、地球に当たった光が反射して月を照らし、それがまた反射して見えるものだ。日本よりも西にある昼間の地域(角度的に東欧あたりか)に当たった光が、38万キロ離れた月との間を往復して、今見えているということだ。

夕方、西の空に明るく見える星が2つ。惑星の木星と土星である。

P5200328a
2020.12.20撮影

この2つの星が日に日に近づいていき、21日には視野角0.1度まで接近した。

久々に望遠鏡を取り出し、アダプターを付けてカメラで撮影してみた。

天体撮影の場合、露出(絞りやシャッター速度)はマニュアル、ピント合わせは望遠鏡側で行う。

ピント合わせやシャッターを押すだけで望遠鏡が揺れるので、10秒のセルフタイマーを用いて撮影した。

天体望遠鏡で撮影…というと、imageこんな感じを想像すると思うが、

素人が買える望遠鏡では、下の写真程度である。

☆P5200357 telescope2080 ☆P5200345
何とか土星の形が見える?   ガリレオ衛星を写すと木星は露出オーバーとなる

 

撮影をしているうちに、西の稜線へ没していったので、上弦の月も撮影。

月P5200364

こちらは惑星と違って、大きく明るいので撮影は楽である。

ちなみに月の直径は地球の1/4、木星は地球の10倍で、40倍の差があるのだが、距離が圧倒的に違うため、見た目の大きさはご覧の通りである。

上弦の月は、横から光の当たるのでクレーターの凹凸が分かりやすい。

DSCF9571 DSCF9568 DSCF9573
東に日の出 朝焼けの美しい朝であった。 西に虹、時刻は6時半

最近夜明けが遅いので、日の出や朝焼けの撮影がはかどる(寒いけど)。

快晴よりある程度の雲が出ていないと、映えないものである。

この日も雨の後、雲が残っていたが、朝日を反射して美しい朝焼けとなった。そして西の空には虹。

塩について学びに赤穂市立海洋科学館〔http://www.ako-kaiyo.jp/〕に行ってきた。

入館料200円、これに塩づくり体験も含まれている。塩づくりと言っても、流下式塩田で採取した鹹水(かん水:塩分濃度の高い水)を煮つめるのみであるが、これだけでもそこそこ楽しめるし、作った塩やこの施設で作った自然塩のお土産がつく。

DSCF9508

DSCF9505

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塩づくり体験棟と
海洋科学館
高速でかき混ぜています お土産塩(粗塩)と
作った塩

さて、以下は塩についてのお話である。時間があればおつきあいくだされ。

 

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image愛用していたアクションカメラFirefly8seが撮影中に急逝したため、4Kアクションカメラを買ってみた。Crosstour社CT9500(2020改)である。タイムセール&ネットショップのアマ券を利用したので、6400円ほどで購入。

届いて早速、入道雲の成長を撮影しようと思って、夕方タイムラプス設定で撮影を始めたら…天気が急変。1時間という時間で、積乱雲湧き立つ青空から一転にわかに掻き曇り、稲妻まで映る動画が撮れました。

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https://youtu.be/egPbQIS1sUE

P5200171

月齢は14、明日の14時頃が真の満月(望)であるが、見た目はほぼ円である。

月が赤く輝いて見えた。この日は午後から周辺で局地的な雨が降り、空気中に小さな水滴が残っていたためだろうか。

DCIM\100GOPRO\GP__0141.JPG

午後9時撮影:月の色は白色に戻っている。月の右にある明るい星は木星である。

DCIM\100GOPRO\GPAB0144.JPG

同夜午前0時半撮影:月はさらに西へ移動。月の左にある明るい星は火星である。

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