勤務する中学校のPTA副会長の保護者様から刈り取って乾燥させた稲束を頂戴した。2年生は稲刈りを体験させてもらっており、そのとき刈った稲とは違うものなのだが,実習用に確保していただいていたものだ。
2年生の2学期後半の家庭科として、稲束から米を取り、それを炊いて食べようと思う。
戴いた稲束は6束、一束がだいたい3株ぶんらしい。これを1株分ずつにわけ、2クラス16班の実習に使おうと思う。2株が予備&予行用である。写真が1株分の稲束。
今日は予行として1株を使い全行程を実施してみた。
朝から家族で、脱穀→籾すり
昼から米搗き。
夕方から炊飯。この流れである。
脱穀は、稲束を藁と籾米に分ける作業だ。机の上の穂にざるをかぶせ、藁を引くと心地よい音とともに外れていく。これは4人がかりで20分ほどで終了。
授業では「ざる」が班にひとつしかないので、50分かかるかな。
(写真 ざるとボウルの間に穂をはさみ引くとキレイに取れる)
次に籾すり。籾米を籾殻と玄米に分ける作業だ。ざるに籾米を入れ、野球の軟式ボールでこすりあげると籾殻が外れる。ざるを振るようにして米を浮かして息を吹きかけて籾殻を飛ばしていく。籾殻が外れた玄米を選別して取り出すため、少量ずつする方が効率が良さそうだ。この工程にたどり着くのに時間がかかったため、3人で2時間も費やし、ようやく籾すり終了。まぁ次にするときは1時間あればできそうだが。授業では…どうかな、50分ではムリっぽい。
1株の稲束から0.8合分の玄米が取れた。
籾すりの作業風景(選別) | ざるの周りに殻が出てくる | 殻の外れた玄米を選別する |
取れた玄米 0.8合 | 籾殻(惜しいけど廃棄) | 稲わら(こちらも廃棄) |
昼からは搗精(とうせい)。ペットボトルを切った容器に玄米を入れ、ひたすらすりこぎ(のちに太い箸)で搗いていく作業。ほぼ3時間かけたがまったく玄米から変化していない。胚芽の部分は若干は外れているものの、米の表面が全然白くならない。白米ってのはものすごい手間がかかるものなのだなぁ。なるほど色々ネットを漁ってもこの部分だけ写真がないはずだ。授業では…まぁ50分かけて、白米までの道のりの遠さを実感してもらうことにしよう。
ペットボトルに入れ搗く。 | ひたすら | |
ひたすら… |
3時間搗いたけど… |
3時のお茶をはさんで、炊飯へ。
炊飯は炊飯器を使わずに炊くことにする。非常時、電気が使えないときでもごはんが炊けるように。
30分ほど洗って水につけていたお米(ほぼ玄米?)を、保存袋(耐熱100℃のもの)にいれ、沸騰した湯の入った鍋に入れる。火はとろ火。30分ほど炊いて、水分が米に吸収されたところで鍋から出して、少し平たく叩いて蒸らす。
少し多めの水を入れる | 保存袋が溶けないように | 炊けたら蒸らす。 |
さて試食…。色が黄色い。胚芽の部分が明るい黄色になっていて目立つ。
味は思っていたより甘い、そしてこれが肝心なのだが滋養が詰まっている感じがする。
玄米 と 炊きあがり | 胚芽が光る | 右が白米 きれいだ |
家族の協力(楽しくやっていたが)を得て、ほぼ一日かけて、ようやく玄米ごはんが360g(小さいお茶碗で4杯分)。
月並みだが、普段当たり前に食べているごはんのありがたさを実感できた。