» 2016 » 1月のブログ記事

大手のキャリア(携帯電話会社)のケータイ料金、家族全員分となるとけっこう高い。これをMVNOのキャリアへ変えると、一人あたり月々2000円足らずでケータイ回線を持つことができる。仮に4人家族で一人5000円払っているとすると、差額は月に12000円。年間14万以上の差となる。
MVNOとは仮想移動体通信事業者の略で大手のキャリア(MNO)から電話回線を間借りして、契約者に小分けにして販売する業者のことだ。
このMVNOと新たに契約し、今使っているdocomoやauの端末に入っているSIMカードをMVNOのSIMカードに差し替え、従来のキャリアの契約を解除すれば、ケータイ料金は劇的に安くなる。

MVNOに移ったら料金が安くなる前提(一つでもあれば)
1.【通話】電話をほとんどしない(LINEなどの通話がほとんど)
    通話単価は大手キャリアの定額契約の方が安いが、最近ではLINEの無料通話など音声回線を使わない電話(IP電話)でも、それなりに使える。
   
2.【通信】外ではネットをあまり見ない
    外ではメールチェックやネット検索・ニュースを見る程度で、動画などは見ないという場合は、大して通信費はかからない。
   
3.【端末】docomoかauの端末、またはSIMフリー端末を持っている。

大手キャリアに縛られる理由とその対策について
1.【通話】IPフォンは仕事では使えない。
    たしかに不安定である。私も「宇宙から通信しているのかと思った」と言われたことがある。そして少し遅延があり、スムーズな会話はできない。ビジネスの電話には不向きである。もちろんMVNOにも音声通話はあり、それは大手キャリアの音声通話と同じ品質なのだが、定額契約がないため、リニアに料金がかかる。多くは30秒あたり20円である(アプリ利用で10円)。
    →これはどうしようもない。仕事で音声通話がいる人は素直に大手キャリアで通話専用の契約(それこそガラケーで十分)をし、ネットはMVNOで契約して2台持ちが安上がりだろう。MVNOの方にも音声契約を付加し、プライベート用にしても良いかもしれない。
   
2.【通信】データ通信をどれだけ使っているか分からず、不安である。
    むかしパケ死と言う言葉があった。データ通信の使い放題プランをつけないと料金がリニアに青天井で上がっていくためだ。
    →まずは自分が月に何GB程度の通信をしているか、知ることが大事。大手キャリアはメールで知らせてくれたり、サイトのマイページなどで調べることができるはず。おおよその目処があれば、MVNO契約の際に、必要な料金プランを選択できる。ほとんどのMVNO業者は月ごとの使用上限を選べるようになっており、それを超えると低速通信になるというしくみになっている。パケ死するようなことはないので安心していい。
   
3.【アドレス】メールアドレスが変わると困る。
    電話番号はMNPすることで他社に移っても変わらないが、キャリアのメールは変わってしまう。
    →これはどうしようもない。大手キャリア間の移行でも同じことである。早いうちにG-Mailなどフリーのアドレスを取得して、それを周囲に告知することを勧める。そして十分に告知できてからMVNOへ移ることを勧める。

4.【2年縛り契約】更新月以外の解約は違約金が取られる。
    これは大手キャリアが、本来は高い携帯端末を馬鹿みたいな安値で売ることとバーターで設定した制度である。契約から2年おきに1ヶ月の更新期間があって、それを逃すと自動更新される(また2年契約)という、けっこう一方的でひどい契約である。
    →ひどい契約だが、それは合意の上のものなので、更新月のチェックをしっかりしておいて、その期間に転出・解約すると良い。もちろんまだ何ヶ月もある場合なら(端末の残債がないなら)、違約金を払ってもMVNOに移った方が得な場合もある。

MVNO業者と契約プランについて
多くの業者がデータ専用プラン、データ+SMSプラン、データ+音声プランの3本立てであり、さらにデータの上限を何GBにするか、ということで料金を設定している。
【通信】だいたいの目安としては、毎日ちょっとメールやネットを見るという程度なら1GBあれば十分であり、3GBの契約をしていれば安心であろう。余ったデータ通信量は次の月まで持ち越せるという制度があるところが多い。

【通話】音声に関しては,先に書いたように使用分がリニアに料金に反映される。30秒20円である。楽天電話などのアプリを使用すると30秒10円になる。家族間通話が無料などの制度はない(IIJだけ家族間20%OFFがある程度)。家族間の通話などはLINEなどを使用すれば無料である(通信費はかかるがわずかである)。

【縛り契約】音声通話契約は1年を義務づけているところが多い。ただ大手キャリアのような極悪な自動更新はないので一定期間使ったら、解約可能である。

MVNO契約で気をつけること(デメリット)
前述の
【通話】 通話料金が定額でなく使った分だけリニアにかかること
【通信】 使用できる通信量に上限があること(低速で通信はできる)
【アドレス】メールアドレスが変わること
【端末】 自分で用意する必要があること。今まで使っていたdocomoやauの端末
    も使えるが、故障した場合は自己責任である。

これらの点以外に、
【通信】 速度について注意が必要だ。MVNOは大手キャリアから回線を分けてもらっているので、業者によっては少量の回線しか保持していない場合がある。そこに多くのユーザーが殺到すれば当然混雑がおこる。料金が安い業者にありがちなことで特に人口密集地ではその傾向が強いらしい。街中で使う場合は多少高くても安定しているという評判の業者がいいだろう。

我が家の契約  現在、以下の通りである。
この表の料金に通話料が加わる(ただ我が家の場合ほとんど電話しないので限りなく0に近い)。
1と2がメインの音声回線を含んだsimである。

  業者 プラン 料金(税抜)
IIJ ファミリーシェアプラン(10GB)+音声(3回線) 4660円
mineo 3GBコース+音声(1回線) 1600円
bbexcite SIM3枚コース(1GB) 1280円
  音声4回線+通信3回線 7540円

1のIIJはMVNOの老舗であり、データ通信をサービス開始以来4年間使っていて、安心感があるのでそのまま3人分の音声回線に変えた。ファミリーシェアプランとは10GBのデータ量を3人で分け合って使うプランである。過去の使用実績的には、私と相棒さんで毎月2GB程度しか使っていなかったので、十分である。IIJの音声は「みおフォンダイヤル」というアプリから通話を行うと30秒10円となり、家族間の場合は8円となる(まぁ家族間はLINEで通話しているので使用することはないのだが)。
2のmineoは4人目のSIM用として今回追加したもの。とりあえず1年間は毎月+2GBしてくれるキャンペーン中なので、容量的には十分すぎる。ただ実績は乏しく派手な宣伝を打っている業者なので、これから混雑が心配な面はある。通話は「楽天電話」というアプリから行うと30秒10円である。

3のbbexciteは通信専門の業者でとにかく安い。SIMが3枚契約できて1280円。容量は合計1GBしかないが、車や職場に置いておいてあるタブレット端末に入れるためのものなので、簡単な検索やメールチェック程度にしか使わない。低速通信だけのプラン(SIM3枚で1100円)もある。

追記20160327 この記事をブログに書いてからも、事態は変化してきている。大手キャリアは2年縛り後の自動契約延長に関する批判の高まりを受け、自動延長を解除できるオプションを作り始めた。MVNOも泣き所である通話定額に対してオプションを用意する業者が現れたり、シェアプランを拡大するなど家族ごと大手キャリアから引き抜く戦略を出し始めた。ここ数年で趨勢が大きく変わることに間違いはない。

さて、端末であるが、2年前のGalaxyNoteから、Note2、そしてFujitsuのF-01Fと中古端末を乗り換えてきた。そして昨年末、楽天モバイルのセールでカメラ機能に定評のあるHonor6Plusを購入した。購入したが、カメラ機能のテストだけして、けっきょく使わずF-01Fに戻した。そして現在、後継であるF-05F(これまたヤフオクで落とした中古品)を使っている。ここでは約2年前の製品であるF-01F,05Fの端末としての魅力について書いてみる。

image一番の魅力は、屋外での画面の見やすさだ。一般に携帯の画面は日中の屋外では輝度を最大にしても十分に見えないことが多く、手で直射日光を遮ったりして見ることになる。しかしF-01FとF-05Fの2機種fのみは、SonyのWhiteMagicという液晶が使われており、日中屋外でも明るく見える。そんなに屋外で使う機会があるわけではないが、写真を撮ることが多い私にとって、屋外で使うときは画面がしっかり見えるというのは大きなアドバンテージなのだ。

次に大きさだ。5インチ1080×1920のディスプレイでありながら、幅70mm程度と,今のスマホの中ではわりと小ぶりなサイズ。胸ポケットにも入るというのは携帯する上で大切なことである。

そして指紋認証はやはり便利である。電源スイッチ付きのタッチセンサーが本体裏側にあるため、支える指でセンサーを押してスイッチオン、そのままスライドしてロック解除と一連の動きがスムーズにできる。ピクチャーパスワードやPINコードの入力のように、もう片方の手で画面を操作する必要がない。また、このタッチセンサーはログインだけでなく、アプリごとに設定することができるのも便利である。つまりLineやメールなどの秘匿性のあるものは指紋認証に設定、電卓やカメラなどは設定無し、などと使い分けることができるのである。

image

背面にはフェルトなどのシールを貼っている。これは滑り止めの目的以外に触感で向きを確認するためである。

またカメラも地味に高性能である。画素数云々はどうでも良いのだが一応1300万画素(05Fは2080万画素)ある。高性能と評価したのは、数台のスマホを条件を揃えて取り比べた結果、もっとも細部がしっかり映っていたのが、このスマホのカメラであったからだ。

最後に前述のWhiteMagic液晶は、一般のRGB(赤緑青)の3色の液晶に白の液晶を加えたことで、明るさだけでなく省電力も実現している(例えば白を表現するのにRGBを使わないで済む)。3200mAhという大きなバッテリ容量と相まって、3日間電池が持つと謳われている。まぁ実際毎日充電する必要はない程度には電池が持つ印象である。これも地味にポイント加算である。

以上、F-01F、後継のF-05Fの魅力を書き上げてみた。

同タイトル前回のエントリ内容は、ケータイのキャリアをソフトバンクに変えて、通話用の端末とネット用のスマホの2台持ちにしたというもの。

さてそこから2年。2年縛りのご奉公も終え、MVNOにMNPした。脱出先はサービス開始の2012年からデータ通信を使い続けてはや4年になるIIJである。ついに音声の契約も付加し2台持ちを解消することになった。

この冬は家族全員、MVNOにキャリア替えした。端末はガラケーや古いスマホからSIMフリーの中堅機に変えた(だいたい1台あたり2万円強)。私は中古で買ったF-05Fだが、ほぼ同等の性能である。2年以上前の機種とは言え、さすがフラッグシップ機ということだ。そんな機種を2年縛り+契約の自動延長というワナとセットでタダ同然で販売していたキャリアは正しかったのか。今となってはビジネスモデルとして風化しつつあると思うが、高性能機種を多く市場に流通させたというプラスの側面は間違いなくあったと思う。そしてそれらの端末がいま白ROMとして中古市場を賑わわせ、MVNOの端末として利用されているというのもなにか皮肉な感じがする。

過去の記事