波照間島

 ハテルマは「果て」+「ウルマ」らしい。「ウルマ」とは珊瑚礁の意味らし いから『はての珊瑚礁の島』てな意味であろうか。 日本では最南端の有人島で ある。 波照間島に渡るには、琉球エアコミューターが一日に1便。安栄観光と しんざと観光のジェット船が1日に3便ずつ。波照間海運のフェリーが週に3便 。私は行きはジェット船に乗り、帰りは飛行機に乗りました。
波照間と石垣の間には、竹富島・黒島・新城島など八重山の島々があるので、 それらを海と空の両方から観察できるというのは、いいもんでしたね。


民宿『たましろ』 ‥‥とにかく飯がスゴい
 行くまで知らなかったのだが、ここの民宿は飯の量が異常に多いということ で、八重山フリークの間では有名らしい。写真を見てもらえば分かると思うが、 とにかく何でもかんでも てんこ盛りなのだ。
 はじめはみんなで分けて食うのかと思ったぞ。
 ちなみに朝食もすごい! 並みの夕食ぐらい有るのでは無かろうか。さらに 朝食時にはテーブルにサランラップが置かれている。‥‥自分でおにぎりを作っ て昼食にしなさいということやねんね。恐れ入ります。
 これで2食付き4500円は安いなぁ。部屋は普通の民家だけどね。
幻の泡波 ここの夕食は、玄関先でのガーデンパーティーだ。一人分ずつ盆に盛られた 超大盛りおかずをつつくわけだ。さらにシークワーサージュースとか午後の紅茶 だとかが一本ずつ付く。これはテーブルごとにおかれた泡盛を割るためのもの。 もちろんそのまま飲んでも(どっちも)良いんだけどね。
 ここででてくる泡盛が『泡波』といって波照間島で作られているもの。生産 量が少なく、あっという間にジモティが買ってしまう。そのため、さして旨いわ けではないんだけど、そのためなかなか観光客のお土産にはならないので『幻の 泡盛』と呼ばれている。

大泊浜でケガる
 宿のオバチャンに教えてもらった大泊浜で泳ぐ。
 ここはあまりリーフが発達していないのか、波があって泳ぎにくかった。サ ンゴとサンゴの間を縫うように泳いでいる上、カメラを持っているので、ちょっ と大きめの波を受けると体勢が崩れてしまうのだ。今回、この浜が初めてのシュ ノーケルとなったのだが、1回目にして、早くもケガをしてしまった。手首を思 いっきりサンゴに打ちつけてしまったのだ。その時、痛いことは痛かったが、表 面上は何ともなかったのだが、後になって腫れてきて、発疹ができて気味が悪か った。2日後、与那国島の診療所で診察してもらうが、1週間ほど腫れは退かな かった。 皆さん、サンゴを含めて毒のある海中生物に注意しましょう。

サトウキビとハイビスカスの島
 宿の自転車を借りて、波照間島を一周をする。離島振興のための公共工事で できた一周道路に沿って走る。まわりは一面サトウキビ。サトウキビは背が2m 以上になるので、見通しが悪い。それでも道路の上にぽっかりと空いた青空と道 路の彼方に浮かぶ入道雲とのコントラストは美しいもんだ。
 また道路沿いにはハイビスカスが植樹されていて、赤・ピンク・黄色と色と りどりに咲いている。
 集落はどこの島とも同じように赤瓦の家が建ち並ぶ。が、この島は屋根の上 にシーサーが乗っていない。辻々にあるハズの石敢当も少ない。
 集落にある売店は正午から2時半まで店を閉める。
 理由は暑いから。
 昼過ぎの一番暑い頃は昼寝をする時間なのだろう。あくせく動き回っている のは観光客くらいのものか。

最南端の碑
 最南端の展望台で強い風を受けながらパンをかじった。気持ちよし。
 最南端の地を高那という。リーフが切れていて波が直接断崖にあたり、高い 波となるからだという。
 ここには『日本最南端の碑』がある。碑へ行くためのプロムナードが変わっ ていて、全国から集められた石を2列に敷き詰め、2本の紐が最後に結んである かのように見せている。ふたたびこの島が他国の占領下に置かれることの無いよ うにとの願いから出来たものだという。

学童慰霊の碑
 西表島を臨む、島の北側の小高い丘を登りきったところに学童慰霊の碑があ る。これは戦争末期に西表島に強制疎開させられた住民の多くがマラリアで死ん でいったことに由来するもので、もちろんその中には多くの子どもたちがいた。 西表島の南風見田の浜にも同様の碑、忘勿石がある。
 波照間小学校の周囲の壁には卒業生の卒業作品として、ウォールペインティ ングがある。その一つに『星になった子どもたち』という詩があった。

コンサート
 偶然、波照間島で野外コンサートがあった。
 島の中央の広場でトラック2台の荷台を使って作った にわか仕立てのステ ージだ。なんでも島の電気屋が儲けた金を地元に還元するという名目で開いたら しい。島民はゴザを持ち寄って舞台のまわりに座る。周囲では泡波や刺身の販売 が行われていて、こじんまりとしたお祭りムードになっていた。
 コンサートを開くのは大島ヤスカツという人で、石垣島の出身らしい。ポッ プスが中心で、中に沖縄民謡を織り交ぜていた。途中でカワミツサトシという沖 縄では有名?な芸人が出てきて場を盛り上げていた。(というより大島を喰って いたナ)

星空観測タワーハテルマにあるメリット
 波照間島の最南端・高那崎の近くに星空観測タワーがある。緯度にして大阪 と10度以上も違うと、観測可能な星座もぐっと増えるらしい。春から夏にかけて は南十字星も見える。また偏西風ジェットの影響を受けないためか空気が澄んで いるらしく、一般の天体観測も有利らしい。
 私が訪れた日は、満月に近い日だったため、星はあまり見えなかったけど、 その分、明るい月の表面を観測することが出来た。また土星の輪が見えなくなっ た直後だったので、土星も見せてもらった(薄い輪が見えた)。 星空観測ツア ー(夜間)は300円である。ちなみに宿の車で送ってもらうのに往復700円 かかる。
シャイな館長 ここの館長は40歳くらいだろうか。冗談を言うのが好きな人 のようだ。そのくせ照れ屋なのか、冗談を言うとき小声になったり早口になった り、自分でフォローしたり。う〜んシャイなんだねぇ。でも好感が持てますよ。

飛行機 ‥‥帰りの飛行機の席は左側に限るぞ!
 波照間から石垣への帰りは、飛行機にした。1日1便しかないので飛行機は 速攻の予約が必要である。今はパソコン通信でチケット予約できるから便利だよ なぁ。予約券を搭乗券に変えるのは当日の搭乗前だ。少しでも早く行って良い席 を押さえなくてはならない。
 とくにこの「波照間→石垣」航路にはそれが言える。19人乗りの小型プロ ペラ機だから低空飛行だ。透き通ったエメラルドの珊瑚礁の海に島々が浮かんで 見えるハズ。しかしこれは向かって左側だけだ。もし右側になんか座ってしまっ たら、逆光で何も見えないし、見えたとしても茫洋とした海。ぜったい同じ料金 なんて不公平だ〜と思うに違いない(というほど違う)。
 だから波照間→石垣は左側を強く推す。できれば後ろの方がいいぞ〜。前の 方はプロペラがジャマだ〜。

 以上、OH!WOO!! 1995年11月号より

離島の写真館へ戻る