石垣島
石垣島 沖縄県八重山郡石垣市
沖縄本島から南西へなんと420km(大阪からなら鎌倉までの距離)先の沖
縄県西端部の19の島々を八重山群島という。人口4万人の石垣島が八重山の中
心である。石垣島は沖縄県で3番目に面積の大きい島で(2番目は西表島)、沖
縄最高峰526mの於茂登岳もある大きな島である。石垣島は八重山群島の経済
・交通。行政の中心地である。本島との主な交通手段は、石垣空港からの飛行機
で、ジェット機が離発着する。しかし滑走路がジェット機の乗り入れには短すぎ
るため、新空港建設の話が前々からあるのだが、環境問題や住民問題で折り合い
がついていない。ちなみに数年前から話題になっている「白保」は完全に暗礁に
乗り上げ、新たな候補地ももめているようだ。 港は石垣港が島の南部にあり、
那覇や宮古島、そして台湾(沖縄本島より近い!)から船が着く。また石垣港の
横には離島桟橋があり、竹富・西表・波照間・黒島・小浜などの離島への高速船
がひっきりなしに発着する。 石垣島の産業は、パイナップルとサトウキビで、
島内に加工工場がある。島内の交通はバスが2時間に1本くらいあるが、あまり
役に立たない。レンタカーかタクシーか定期観光バスだろうか。レンタサイクル
やバイクもあるが、大きな島な上にアップダウンもあるので、あまり勧めないぞ
。石垣島の観光地はけっこう広い島内に散っているので、回りにくい。
飛行場
今の石垣空港は滑走路が短いためにジェット機の離発着に適していないんだ
そうだ。そこで滑走路に凹凸をつけ、強引にジェット機の乗り入れをしている状
態だそうだ。 こういう状態がいつまでも続いたら良くないってんで、新空港建
設は、島民・沖縄県・運輸省の願いなわけだが、例の「白保」は、貴重なサンゴ
の生態域であるという事で、自然保護団体からクレームがつき、迷宮入り。で、
今度は於茂登岳案が県から出されたが、今度は地元住民の反対で頓挫。説得に来
た知事を空港で追い返すという事態にまで発展した。(1993)
その他(あんまり石垣に関係ないこと)
石垣島は台風銀座。8月に旅行したら必ず台風の直撃にあうという。しかし
今年(1993)は異常気象で、まったく台風が来なかった。我々観光客は大喜びだが
、農家は深刻らしい。なにせ、台風と共に来るはずの雨が全く来ないのだから。
サトウキビは壊滅状態。タクシーの運ちゃんが嘆いていました。 離島桟橋付近
は、けっこう賑やか。土産物店が並ぶ。ファストフードの店もある。A&Wは
沖縄では有名なファストフードショップ。A&Wの特製ドリンク「ルートビ
ア」は忘れられない味だ。不味いのだ。昔、まずいドリンクとしてリベラとかサ
スケとかあったけど、それを上回るまずさだ。例えて言えば、ドクターペッパー
のクスリ臭さにリベラの妙味が合わさったような感じだ。しかも泡立っている。
何なんだ、これは?しかし今回も懲りもせずA&Wでルートビアを頼んでしまっ
た(次は絶対に飲まん!)。
以上 『OH!WOO!!』 1993年10月号より
那覇空港を歩こう
八重山へ行くには普通は飛行機だよね。時間のある若者は船で行くようだけ
どもさ。 那覇空港の場合、石垣便は第2ターミナルといって離島専用のターミ
ナルから出発だ。だから大阪から乗り継ぎのときは連絡バスで第2ターミナルへ
移動するわけやね。 でもせっかく沖縄に着いたのだから一刻も早く、南国特有
のもわぁっとした空気に触れたいよね。そういうときは第2ターミナルまで て
くてく歩こう。綺麗な連絡通路を500mほどだ。荷物は乗り継ぎ便を指定しておけ
ば、勝手に運んでくれるから身軽だしね。
ルートビア
う〜ん、これは‥‥。沖縄を訪れるとねぇ、飲んでしまうんだねぇ。という
ことで今回もマズいと分かっていながら飲んでしまいました。 ルートビアはA
&Wのオリジナルドリンク。A&Wって沖縄のマクドナルドって感じなんだけど
、ルートビアも飲み慣れたらコーラみたいなもんなんやろか。 皆さんもぜひど
うぞ。って、あまりすすめないけど。
バスの運転手
バスターミナルから白保までバスに乗った。運転手さんは女性だった。普通
のおばちゃんだった。 細い腕で大きなハンドルをぐりんぐりん回して運転して
いた。しかもヘッドセットのマイクまでつけて。バス停のたびに乗降案内をして
いたぞ。私が「民宿『白保』に行きたいのだ」と告げるとバス停でもないところ
で降ろしてくれた。どおもありがとう。
空港はまだ‥‥
石垣島の空港移転問題は相変わらずもめているようだ。 現空港は大型のジ
ェット機が乗り入れできるほど滑走路が長くないので、滑走路の舗装に強烈な凸
凹をつけてムリヤリ離着陸をしている。 着陸時が特に怖い。タイヤが滑走路に
ついたかと思うと、もんのすごいブレーキをかけて減速、即、旋回してターミナ
ルへ移動する。今回も5回、ハラハラドキドキしながら、石垣空港を離着陸した
。
白保のサンゴは世界一?
「白保のサンゴは世界一!」という人が多いが、わたしは今回の旅行までは「
ケッ!なんやかや言っても八重山の他の島々に比べたら、汚れているに違いない
!」などと思っていた。しかし旅先で会う人会う人が「白保はいいよ〜」と言う
。「うーん、そうなのかなぁ。」 8月も下旬になると、八重山は台風シーズン
である。民宿も前日予約で、じゅうぶんOKだったので行くことにした。
民宿『白保』
民宿の壁面にサバニ(小船)が取り付けてあるのには、驚いた。 この宿は、
椎名誠が『うみ・そら・さんごのいいつたえ』という映画のロケのために2ヶ月
ほど滞在したらしい。サバニもそのロケに使われたものらしいのだが、宿の人は
、それを自慢する事もなかったし大げさに宣伝することもしていない。 なかな
か素朴な民宿である。 宿泊費は2食付き5000円。晩飯はオヤジが捕ってき
た魚の刺身が中心。部屋はきれい。クーラーはコインクーラー。コインランドリ
ーもあるでよ。
グラスボートでシュノーケリング
唯一、民宿『白保』のオヤジが自慢していたのが、白保のサンゴである。この
宿では、オヤジが漁師なので舟をいくつか持っている。干潮時にはサンゴを傷つ
けないように底の浅い船で、潮が満ちてきたら、大きなグラスボートで、という
ふうに、干潮に応じてのサンゴ見学ツァーができる。ちなみに一人2000円。
これは安いと思う。 船は民宿から100mの浜から出る。 勢いよくモーターを唸
らせて走ったかと思うと、急に静かになってスピードが落ちる。また速くなって
、また遅くなって‥‥をくり返す。 サンゴが群体となって海面近くまで来てい
るので、それを避けながら沖に出ていくのだ。 オヤジはリーフの突端付近で船
を止め、「ここで降りて浜に向かって斜めに泳いでいけ、所々で船を止めて待つ
から」という。そうすればサンゴのいい写真がいっぱい撮れる、ということなの
だ。サンゴの写真を撮りたい旨を伝えていたので、一ヶ所にとどまらず、泳いで
移動しつつ写真を撮り、次のポイントまで船で移動する、という形態を取ってく
れたようだ。
白保のサンゴは世界一!
なるほど!泳いでみると分かる。 アオサンゴをはじめとして、様々なサンゴ
が様々な形態で生息している。同じ種類のサンゴでも形態(枝状とかバラ状とか
テーブル状とか)が変わると全く違って見える上に、いろいろな種類があるもの
だから、その多様性に目を奪われる。さながらサンゴの博物館といった呈である
。その上、これまた種々の小魚がサンゴのまわりを行ったり来たり。まるで浦島
太郎の世界だね。 皆さんに力一杯おすすめ。白保のサンゴは見る価値がありま
っせ!
竜宮城鍾乳洞
石垣島に新たな観光名所が現れた。竜宮城鍾乳洞である。
与那国からの帰り、もう夕方ではあったが、飛行場からタクシーで訪れた。
鍾乳洞マニアの私としては、何をおいてもこの鍾乳洞だけは見ておきたかったの
だ。 タクシーはサトウキビ畑の中を走り、まるで工事現場のような砂地むき出
しの悪路を走った。「ホンマにこんな所にあるんかいな?」などと不安な気持ち
になりはじめた頃に「南部計画」と書かれた看板が現れ、その先に舗装された駐
車場があった。駐車場には建設途中の土産物屋があり、その隅っこに鍾乳洞の入
り口はあった。まるで掘っ立て小屋のような入場ゲートである。またも少し不安
になりながら、入場料1000円を払った。
やるやないか、竜宮城鍾乳洞!
鍾乳洞の入り口は、重厚な金属製のドアである。入場者はそのドアをスライド
させて中に入るのだ。当然すぐ閉まる。このドアは鍾乳洞の内部の湿度や温度を
変化させないための工夫なのだろう。「やるやないか、竜宮城鍾乳洞!」 と私
は少しこの鍾乳洞の管理者を見直した。 でも普通の鍾乳洞だった。 パンフレ
ットによると『幻想の未体験ゾーンにドキドキ、ワクワク』で『太古の海底を実
感』『地下の大石柱は20万年の歴史が積み重なっている』らしいのだが、まぁ
、見たところ普通の鍾乳洞である。鍾乳石もすでに酸化が進んでいて、茶色に変
色している(物々しいドアはこれ以上の酸化を防止するためにあったのだろう)
。 岩手の『竜泉洞』・沖縄本島の『玉泉洞』・山口の『秋芳洞』。 鍾乳洞マ
ニアの私がおすすめする綺麗な鍾乳洞BEST3なわけだが、これらに比べると、見
劣りがする。周辺に建設中のレストランや土産屋とかが完成すれば、まぁメジャ
ーな観光地になるんでしょうな。(たぶんハブVSマングースとかもやるんやろう
なぁ)
以上 『OH!WOO!!』 1995年10月号より
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