伊豆大島(東京都)
 新島に続き新婚旅行(1996年3月)である。     

伊豆大島へ行く
 東京から南に120km。伊豆七島のうち、最大の島である。
 飛行機が羽田から日に3便40分、熱海から高速船で1時間、東京から船で 4時間。なんとなく暖かい南の島という印象がある。事実、冬は暖かい。南から 来る暖流の影響だろう。しかし緯度だけでいえば、伊豆半島の石廊岬や下田より も北である。さらに大阪や萩よりも北に位置している。
 集落は島の外周にそって点々とある。一番大きな集落が西の元町。次に北の 岡田、そして南の波浮と続く。
 島の中心部はご存じ三原山で、現在も活動を続けている。1986年の割れ目噴 火による全島民避難は記憶に新しい。現在も島の中心部は立入禁止区域が多い。

伊豆大島に泊まる
 伊豆のお宿は大島温泉ホテル! 唯一の温泉ということで、ここに決まりだ !
 でも高いぞ。1泊2万円前後だ(って普通はそれくらいのものか? どーも YHとか民宿を基準にしてるからなぁ)。
 まぁ新婚旅行くらい贅沢しても罰は当たるまい。

 さて、このホテルは、三原山の外輪山の山頂に建てられており、海も三原山 も両方を眺めることができる。外輪山から内側は立入禁止区域なので、ぎりぎり の立地ということになるね。
 露天風呂は、真っ黒な荒野の先に噴煙を上げる三原山、という壮大な眺めを 見ながらの入浴だ。

 食事は、椿フォンデュが有名。まぁ椿油を使用した天ぷらというだけのこと なのだが。肉や魚介類の他に、大島特産のアシタバの葉が大量にあり、かなりお なかが脹れる。さらに刺身やらなんやら通り一遍の料理の上に、我々は出発前か ら特別料理を注文しており、それが運ばれて来るもんだから、とても食べきれな いのであった。1日目は詰め込むようにして完食したが、2日目は、ギブアップ 。残してしまった。ちなみに2日目は椿フォンデュではなく違う内容の食事だっ た。周りは椿フォンデュをしていたから連泊者への配慮なのだろう。
 ちなみにアシタバの葉はビタミン満点の食品として大島の特産らしいぞ。す ごい生命力で、葉をちぎってもすぐに生えるそうな。

島内観光
   三原山山頂口(御神火茶屋)
大きな駐車場があり、三原山にもっとも近い展望台。温泉ホテルからなら歩い て1時間もかからない。一般には元町から定期バス。バスは船の到着にあわせて 発車する。また観光定期バスも必ず立ち寄るので、他も見るなら、こっちの方が 便利かも。
 さてここは、土産物屋や食堂もある大島一の観光地。ここから三原山に向け ての遊歩道もある。しかし山頂までは立ち入ることはできない。

   割れ目噴火口
1986年の噴火は三原山本体ではなく、外輪山の外側で起きた。三原山本体や外 輪山の内側なら流れ出た溶岩がカルデラを埋めるだけのことで、人々の生活に支 障はなかったかもしれない。が、外輪山の外側だったため、集落のある島の外周 部に直接、溶岩が流れるという大変な事態に発展したというわけだ。この噴火で は、上昇したマグマが地盤の弱い部分を引き裂いて噴出したため、いくつもの噴 火口が一直線上に並んだ。こうした噴火を割れ目噴火という。
 三原山の山頂に至る観光道路の途中でこの噴火が起こったため、観光道路は 使用不能となってしまった(現在は新しい観光道路が外輪山にそって作られた) 。旧・観光道路を歩くと、赤黒い溶岩が小山となって道路を断ち切っているよう すがよくわかる。噴火口付近には、遊歩道が取り付けられており、噴火の後も生 々しい、すり鉢状の溶岩小山をいくつか登ったり下りたりするうちに反対側の旧 ・観光道路に出るようになっている。

   地層の大露頭
理科の教科書にもよく取り上げられている地層のバウムクーヘン。元町から波 浮へ向かう道路沿いにある。90層にも及ぶそうで、三原山が150万年前から断続 的に大量の火山灰を噴出していたことがわかる。

   波浮
島の南端部に位置し「波浮の港」で有名なところ。爆発火口湖だったものを江 戸時代に一部切削して海とつなげて港にしたらしい。昔は歓楽街としてにぎわっ たらしいが、現在は島で2番目の漁港として栄えている。

   大島公園
リスやクジャク・ダチョウなどが放し飼いにされていたり、ハコガメなどがい る自然博物館や椿資料館などがある。広々としていて開放的な公園だ。観光バス で決められた時間での見学だったので、全部はとても見ることができなかったが 、半日ゆっくりできる規模の公園だと思う。

   リス村
世界中のリスを集めた公園。またリスやウサギの放し飼いコーナーもあり、リ スが餌に集まってくる様子は圧巻だ。
ところで著者はここでリスにおしっこをかけられてしまった。かわいい小動物 といえど油断は大敵だな。

   郷土芸能館
ここも観光バスで行ったので、通りいっぺんだが、まぁ観光バス用の施設と言 おうか、その程度だと思う。売店とステージがメインの施設だ。ステージでは時 間ごとに、絣を着たあんこさん(おねぇさん)がおっとりした歌と踊りを披露。 その後、ハッピ姿の若いねーちゃんが大太鼓を叩きまくるという2部構成で、陳 腐なナレーションが場末の雰囲気を醸しだし、泣かせてくれる。しかもよくよく 見てみると、さきほど優雅な踊りを披露していたあんこさんが実は太鼓も叩いて いる。つまり同一人物が衣装を変えて2つのステージをこなしているということ を発見。
嫁さんは「このギャップがすてき‥‥」と言っていた。

   ぱれ・らめーる(貝の博物館)
元町にある。貝だらけの博物館。あまり有名ではないが、ここはけっこう気に 入った。展示の仕方が上手で「見せる」ことに工夫されているようだ。展示品に 見入っていると館長らしきおじさんがやって来て、いろいろ説明してくれたぞ。

   火山博物館
名前の通り、火山に関する博物館。三原山をはじめとして全世界の火山の紹介 をしている。圧巻は、1986年の噴火のドキュメント。真・新聞記事・TV番組な ど様々なメディアを使って展示してある。


伊豆大島から帰る
 今回の旅行は、大島から羽田へ羽田から伊丹へと飛行機を使ってスマートに 帰るつもりだったのだが。なんと飛行機が大風で欠航になってしまった。しかた なしに岡田港から船で熱海へ脱出。熱海から新幹線の自由席(しかも座れない) と、ほうほうの体で帰り着きましたとさ。

 

 以上、 OH!WOO!! 1996年11月号より

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